真岡 入雲

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10/28/2024, 2:43:14 AM

【お題:紅茶の香り 20241027】

テレビの画面越しに見るだけだった原宿の竹下通り、その入口程近くにあるジャズダンス教室。
高校の同級生に誘われて、体験で1回参加して通うことを決めた。
週に1回、数時間だけの私の非現実的な時間。
教室に通う生徒の殆どは舞台俳優や声優を目指している人達で、会社員として働いている人はいなかった。
でも、先生も皆も異色の私に対して、とても親切にしてくれた。
同級生はそのうちダンスには来なくなってしまったけれど、私は通い続けた。
体を動かすのが楽しい、というのもあったけれど、そこで友達が出来たから。
ダンスで体を動かして、着替えて原宿の街に繰り出す。
その時、年下の友達に連れて行ってもらったのが、紅茶専門店『CHRISTIE』だった。
ダンス教室に程近く、それでいて周囲の喧騒から隔離された空間。
店の入口の扉を開けると、紅茶の香りがふわっと漂ってくる。
少し暗めの照明で照らされる店内は、落ち着いた雰囲気のインテリアと音楽で満たされていた。
初めての時は、リーフ入りのポットで提供される紅茶に、胸が高鳴っていたのを覚えている。

私が本格的な紅茶に初めて触れた瞬間だった。

ほぼ毎週、ダンスの後に通い紅茶と食事のセットを頼んで、他愛もない話をする。
私のお気に入りは、たっぷりのチーズにママレードが乗ったトーストのセット。
今でも時折真似て作ってみたりする。
そして一番好きだったのはローストビーフのサンドイッチ。
お値段的に毎回食べる事は出来なかったけれど、今でもふとした時に食べたくなる。

楽しい時間は長くは続かなくて、友達は結婚したり、音信不通になったり。
私は遠くに引っ越して、引っ越し先で似たような店がないか探し回ったけれど、結局みつからなかった。
ティーバッグで入れた紅茶をカップで提供するか、ティープレスでの提供だったり。
一度ポットで提供され内心拍手喝采で喜んでみたものの、リーフが入っておらずガッカリということもあった。
今では更に引っ越し、地方の人口流出に歯止めのきかない寂れた街にいる。
紅茶専門店などお洒落なお店があるはずもなく、日々自分で入れた紅茶を飲む毎日。
ただ昔と違い、ネットでポチッとすれば、色々な茶葉を手にすることが出来るので、科学の進歩?には感謝している。
珈琲に拘るお店は多いのになぁ、と日々悲しく思うけれど、まぁ、それはそれ。

可能ならもう一度あのお店でゆったりとした時間を過ごしたい。
願わくば、あの頃の友達と共に。


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(´-ι_-`) 6時間掛かるのか⋯⋯( -ω- `)フッ

10/27/2024, 8:33:59 AM

【お題:愛言葉 20241026】




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(´-ι_-`) 愛⋯愛⋯言葉、哀言葉

10/26/2024, 8:17:22 AM

【お題:友達 20241025】



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(´-ι_-`)
設定と言うか、プロット的なものは思い浮かんでメモしてる。
けど、それを文章化する時間が取れない⋯⋯、うーむ╭(๑¯⌓¯๑)╮

10/25/2024, 9:10:33 AM

【お題:行かないで 20241024】


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(´-ι_-`) 男なのか女なのか⋯

10/24/2024, 5:54:32 AM

【お題:どこまでも続く青い空 20241023】

「すごいな⋯⋯」

その呟きは誰の耳に留まることもなく、大気に消えていく。
それでも呟かずにはいられないのは、きっとこの景色のせいだ。

「来てよかったな⋯⋯」


本当はキャンセルしようと思っていたこの旅行。
でも親友に絶対に行ってこいと言われ、しぶしぶ日本を立った。
一緒に来る予定だった彼女と喧嘩をして別れたのが出発の3日前。
この旅行のために、残業と休日出勤でどうにか仕事を終わらせて心配事もなく日本を旅立てる、そう思っていたところだった。

『やっぱり、ヨーロッパがいいな。お城とかそういうのが見たい。ねぇ、今から変更できないの?』

旅行の打ち合わせを兼ねた食事の席で、そんなことを言われた。
いや、待ってくれ、ヨーロッパにしようかって言った時、普通すぎてつまらない、テレビで見たここに行ってみたい、って言ったの君だよな?
この時点で、少しイラッとしてしまったのは、大人げなかったかもしれない。
やんわりと、今回は大人しく南米旅行にして次にヨーロッパにしよう、と言ってはみたものの⋯⋯。

『今なら変更できるでしょう?パパならすぐOKしてくれるよ?南米とか買い物出来ないし、友達にも全然自慢できないもん。ねぇ、私、ヨーロッパに行きたい』

取引先のお嬢さんだし、若いし、見た目も好みだったというのはある。
初めの頃はわがままも可愛いと思えたけれど、それも度が過ぎるとマイナスでしかない。
最近はそういう事が多くなったし、人を見下すような所も、男をアクセサリーのように扱う所も我慢できなくなっていた。
だからあいつには悪いけど、ここが限界だなと思ってメッセージを送った。

【ゴメン、もう限界。別れる】

すると、すぐ様返事が入った。

【会社のことは気にするな】

これぞ、俺の親友。
俺が女だったら、確実に惚れてるね。
で、今まで貯めた鬱憤を大人の男らしくスマートにぶちまけて、お別れをした。


「12年か?」

学生時代に起業した親友と一緒に働き続けること12年。
休みらしい休みも取らずに、世界中あちこち飛び回ったが、旅行としてプライベートで海外に来るのは初めてだとついさっき気がついた。
彼女とも海外は初で、日程の関係もあってそれまではずっと国内だったからな。
そう考えるとこの旅がすごく貴重なものに思えてくる。

「クスコの街やマチュピチュも良かったけど、コレには敵わないな」

見渡す限りの真っ白な大地に、どこまでも続く青い空。
今は昼だが、夜になるとこの青空が一面の星空に変わるのだという。
ガイドの話では星明かりで自分の影が見れるとか何とか。
うん、それも今から楽しみだ。
そうそう、ウユニ塩湖と言えば鏡張りの景色が有名だが、あちらは運も必要なのだとか。
あの鏡張りの状態になるにはいくつかの条件があって、見るのはなかなか難しいらしい。
地上と上空の両方にどこまでも青い空が続いている状態がみたいのならば、滞在期間を長くしてチャンスを狙えとガイドが言っていた。
そう、聞いてしまったら見たくなるのが人間ってやつだよな。
すぐには無理でも、絶対に見てやるって思ってしまう。

「よし、次は雨季に来よう」

白い大地と青い空の画像を日本にいる親友に送る。
帰国はもう少し先になるが、最高の景色をプレゼントだ。

【今度は俺も連れて行け】

そんなメッセージが返ってきた。
だから⋯⋯。

【任せろ】

おれもあいつも独身だ。
その気になって頑張れば、2人で旅する時間は作れるだろう。
今の世の中リモートワークもできることだし、きっとどうにでもなる。

「んじゃ、もう1回スペイン語、勉強し直すか」

通訳を介さずに地元の人と話せれば、旅はもっと楽しくなりそうだ。
次の目標もできたことだし、さぁ、また頑張るか!


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(´-ι_-`) 行ってみたいね〜。

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