アパー・キャットワンチャイ

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2/1/2024, 8:11:58 AM

旅路の果てに、遂に辿り着いた。
これまで、本当にしんどかった。
苦しくて、投げ出したくて、仕方なかった。
でも、それでも人間が好きだから、なんとか食らいついて生きてきた。
人間が好きな人は、いつか報われる。
しんどくたって、その頑張りを見ている人は見ているし、評価してくれる人は思っていたより多かった。
そういうふうに見れなかっただけで。ただ、自分が悲観的になっていただけだ。
ありがたい。
この旅はまだまだ続くし、いつ終わるかも分からない。
この旅路が過去の私のような、さすらう人々へ届け。

1/27/2024, 8:42:23 AM

ミッドナイトのドライブ、久しぶりに楽しい。
深夜の首都高は、スピードが出せて気持ちいい。
会社にいた時に蓄積された、鬱屈した気持ちを解き放つ。
側面にビルの光が並走する。
窓を全開にして風になるような感覚に浸る。
まるで自分一人だけがすきにできる世界に来たみたいだ。
明日の朝は寝不足で会社に向かうことは分かりきっている。
だからこそ逃避する。
全てのことを忘れるように。
深夜の空気は東京と言えど澄んでいて、気持ちがいい。
「おいしい...。」
風をひと通り浴びて、もう充分と感じたら、治安の悪い音楽をかける。
普段の自分からなるべくかけ離れている、腹の底から重低音が響くような、ガラの悪い曲だ。
ラップが聞こえてくる。
何を言っているのかは分からないし知ろうともしない。カッコ良ければそれでいい。
首都高をぐるっと1周したら、それでタイムオーバーだ。
それで満足したら万々歳。
物足りない感じがしたらなるべく人がいない、人工物の少ない、遠くへ、遠くへ、行くのだ。八王子や千葉方面など、とにかく自然の多いゆとりのある場所へ逃げる。
そこで癒されるまで走る。空気を感じたり、重低音ラップをきいたり、時には海に行く。
それが自分の機嫌の取り方。
なるべく長く自分と付き合えるように、好きなことをさせてあげる。
やるせない気分は逃避してやり過ごす。
そんな日々はどこまで続くだろうか―――と思いを馳せるが、そんなものは分からないし考えなくてもいい。
どうせ答えは出てこない。

今日も、明日のエネルギーを充電するため、ギアをあげる。

1/26/2024, 9:30:39 AM

安心と不安
自分がそこにいていいと思わせてくれる居場所があると安心する。
自分がなにか役割を演じなければいけないと思って自分が空白になると不安になる。

1/23/2024, 8:28:45 AM

タイムマシンはできなかった。
生涯をかけて開発に挑んだけど、少なくともあと100年は必要ということが分かっただけだった。
死に際に、タイムマシンに乗っている自分に似た人物が現れた。

「じいちゃん、開発は成功したよ。ありがとう。ゆっくりお休み。」
私は安心して目を瞑った。

1/20/2024, 11:49:54 AM

海の底で横たわる。
浮かびもせず、沈みもせず、ゆらゆらとたゆたう。
陽の光は、遠くの方でほのかに差し込んでいる。
いつか報われるから、いつか大丈夫になるから、歳を取れば鈍感になるから...
そんな言葉で自分を騙し続け、揺らぎ続けた。

突然何かが弾けて、つらいという感情に全てを支配された。
もう無理だ。
涙を流しながら、海底で身体を丸める。
それまで無害だった周りの水でさえ、チクチクと自分を刺してくるような感覚になる。
嗚咽を漏らしながら頭を抱えてうずくまる。
早く過ぎ去ってくれ。
誰も助けに来ない深い紺色の中、絶望に浸る。

どのくらい時間が経ったのか分からない。近くの砂が舞い、何かが淡く光った。
気になった私は、泣き腫らし膨らんだ顔を上げ、おぼつかない足取りで歩み始める。
それは小学生の時に先生がくれた手作りの金メダル。
金色の折り紙で作ったちゃちな代物。
でも、嬉しかった。
誰よりも頑張り屋さんで、元気で明るい、太陽みたいな子。あなたの放つ光が、いつかあなた自身も照らしますように。
先生がくれた言葉が脳裏に蘇る。
先生、でも私もう頑張れないし、元気じゃないし、明るくなれない。太陽じゃない。
ふたたび力をなくし、膝を落としうなだれる。

遠くの方で、水の流れが起きているのを感じる。
何かが近づいてきている。
それはイルカだった。
プオオオオン。
超音波のような音が聞こえる。これがイルカの鳴き声...?
すると言葉が脳内に流れ込んできた。
ゆっくり、生きれるといいね。
君が、君のペースで生きれる、そんな環境を探していけばいいよ。
頑張らなくていいよ。だってもう十分頑張ってるじゃないか。

不思議と、癒される音色だ。
自分のペースで、生きる...。なにかに追い立てられるように、なにかを追い求めるように生きてきた自分にとって、そんなことを考えたこともなかった。

しばらく考え込んでいると、地面からボコボコと泡が吹き出し、辺り一面を覆ってしまった。

すると次の瞬間、私は砂浜にたっていた。
重力の重さを実感し、身体が酷く重だるい。しかし不思議と頭はスッキリとしていて、心は軽やかだった。
少しづつ歩き始めた。自分の意思で、自分のペースで。
砂浜には、一筋の足跡が、どこまでも、続いていた。

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