莉聖

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4/8/2023, 12:51:22 PM

『これからも、ずっと一緒だよ!』


そう言ったのは、あなたなのに。



桜吹雪の真ん中。
今日も私は3時間きっかり、そこに立ち続ける。
あなたが手を振ってくるんじゃないか。
笑いかけてきてくれるんじゃないか。




「、そんなわけないか。」

4/7/2023, 3:06:39 PM

『うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』




急に走り出すあの子に驚く。



「なになになになに…?!」


『あはははっ!!』



狂ったように笑い出すあの子。
考えていることは何もわからない。
淀んだ目は、私を映してもいない。




『私さぁ…明日死ぬつもりなんだ!』



言葉とは裏腹に快活に笑う。
…あぁ、どうしてこうなってしまったんだろう。




赤赤しい夕日が私たちを照らす。
さよなら、とそっと呟いて歩き出した。

4/6/2023, 1:11:37 PM

『私、もう長くない。』



_ああ、言ってしまった。


そう伝えただけで彼女の目には大粒の涙が。
…優しいな、ほんとに。



『…ごめんね、伝えられなくて。』



昔からそうだった。
あなたの責めるような目が嫌いだった。
見つめられると、なんでも話してしまう。



泣き崩れる彼女の横を通り過ぎる。


『…じゃあね。』

4/5/2023, 11:46:09 AM

なにもしたくない。
なにもかんがえたくない。
もう、つかれた。
せきにんなんておいたくない。


普段から強がりが得意な彼女。
弱音を吐くことも少なかった彼女。
そんな彼女からSOSが出た。
応じないわけが無い。



『、大丈夫?』


「…大丈夫じゃない。」



何も見えていないような目。
ずっと、隣で頑張っていたところを見てきた。
ずっと、隣で強がっていたところを見てきた。
大丈夫って聞けば、大丈夫と答える。
辛いと聞けば、辛くないと答える。
____だから、今、凄く怖いのだ。






「誰も認めてくれない。」


『私が認めるよ。』


「誰も褒めてくれない。」


『私が褒めるよ。』


「誰も見てくれない。」


『私が見るよ。』


「誰も、誰もっ…」





荒い呼吸が続く。
彼女をぎゅっと抱きしめる。



『大丈夫、大丈夫。私が見るよ。』



私が見る。
大丈夫。
あなたは大丈夫。
あなたはすごい。

そのような薄っぺらい言葉しか並べることが出来ない。
そんな自分に嫌気が指す。



目の端でキラリと何かが光る。
星空の下、彼女が落ち着くことを祈ることしか出来なかった。

4/4/2023, 4:44:08 PM

「俺さ、最低なんだ。」


絞り出された言葉は、想像もしていなかった言葉だった。
動物たちも寝静まる夜。
風を受け佇む君の表情は分からなかった。



『最低って…?』




「俺、みんなのこと大好きなんだよ。
この愛は誰にも負けない、って自信ある。

でも、みんなが褒められてるとすっごいムカつく。
俺だってできるのに、って。
俺ならもっとすごいことできるのに、って。


そんな自分に1番ムカつくのに。」



____なんだ、そんなことか。



なにが【最低】だ。
至極真っ当で、【普通】のことだ。




『…ンなの普通だよ。』


「は?」


『普通だっつってんの。

仲間だって言い方を変えればライバル。
ライバルが褒められてムカつかないやつなんていない。
お前が最低だと思ってる行為は
俺からしたら普通の行為。

なんも最低じゃない。』






君は目を大きく開く。
こぼれ落ちそうな瞳はまだ少し燻んでいた。
夜風が頬を撫でて行く。
前髪を揺らす。




『なんも最低じゃない。お前は、』





___________それでいい。






零れ落ちたダイヤモンドは、知らん振りしておいてやろう。

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