莉聖

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なにもしたくない。
なにもかんがえたくない。
もう、つかれた。
せきにんなんておいたくない。


普段から強がりが得意な彼女。
弱音を吐くことも少なかった彼女。
そんな彼女からSOSが出た。
応じないわけが無い。



『、大丈夫?』


「…大丈夫じゃない。」



何も見えていないような目。
ずっと、隣で頑張っていたところを見てきた。
ずっと、隣で強がっていたところを見てきた。
大丈夫って聞けば、大丈夫と答える。
辛いと聞けば、辛くないと答える。
____だから、今、凄く怖いのだ。






「誰も認めてくれない。」


『私が認めるよ。』


「誰も褒めてくれない。」


『私が褒めるよ。』


「誰も見てくれない。」


『私が見るよ。』


「誰も、誰もっ…」





荒い呼吸が続く。
彼女をぎゅっと抱きしめる。



『大丈夫、大丈夫。私が見るよ。』



私が見る。
大丈夫。
あなたは大丈夫。
あなたはすごい。

そのような薄っぺらい言葉しか並べることが出来ない。
そんな自分に嫌気が指す。



目の端でキラリと何かが光る。
星空の下、彼女が落ち着くことを祈ることしか出来なかった。

4/5/2023, 11:46:09 AM