湖楠*

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4/14/2024, 4:24:35 PM


そうだ、神様へ手紙を書こう!

そう小さな僕が思いたったのは、泣き虫な性格を直すためだ。

どっかで聞いた話。
神様は僕たちのこと守ってくれてるんだって。

だからお手紙を送って、それで仲良くなって…
神様と僕だけの秘密の関係を作るんだ。

秘密を守るかわりに、僕のことを守ってくれるって
信じていた。



また良くないことが起こった。

他人とどうやって話をしたらいいか分からない。
自分がやりたいことを言えず、流され続けた。
なにを考えているか分からないと言われた。
誰かを傷つけた、自分も傷ついた。

もう他人と話すのをやめよう。


怒ってないよ。誰にも、怒ってない。

神様は守ってくれなかったけど、
まだあの秘密は誰にも言ってないし、言えない。
だから、まだ守ってくれる、よね?



はっ、と目が覚めたら、したいことが何も無かった。

相談…って誰にするの?
誰とも話せないというのに。

「…かみ、さま……?」

返事などない。あるわけが無い。
これは僕が作り出した幻想。空想上の友達なのだから。



己の弱さを痛感した。
初めは泣くのがもう嫌で、それにただ耐えたかっただけなのにな。

捨てられない紙くずの前で涙を流す。
誰も知らない、見ることもない涙。
泣き疲れて、途方にくれて、
諦めようにも、こんな臆病な僕じゃ無理な話だった。

これからどうしたらいい?
神様に頼れなくて、誰にも頼れなくて、残るは僕一人。

じゃあ、もうこうするしかないね。
ねぇ?そこから僕の頑張りを見てて欲しいな。神様。



4/12/2024, 4:48:42 PM


幼い頃、自分の機嫌で天気が変わると、本気で思っていた。

雨が降っていれば、泣いていて、
笑っていれば、快晴になった。

無邪気な考えは時と共に忘れ去られていく。
空模様が人の機嫌など関係無く、自然に移り変わっていく様に。

それでもたまに、ふと思うことがある。
もし空模様が、君のご機嫌で変わるなら、
離れていてもすぐに知ることができるのに。

もちろんそんなことは起こらないけども。
どうか君の遠くの空が、晴れやかでありますように。

4/8/2024, 5:22:41 PM

朝が怖い
人々が嫌でも頑張っていることを
知らしめられるから

夜が怖い
明日も当たり前に夜は来るっていうのに
孤独が襲うから

今に始まったことじゃない
世界は舞台じゃないって
NPCはここにはいないって
知った時から

もう誰も信じられなかった
自分の力でだって
飛び降れなかったから

心の汚れをずっと抱えている
拭えないまま
拭う方法も分からないから

拭う方法を
自分で自分を救う方法を
ずっと探し続けている

これからも、ずっと

4/7/2024, 3:20:30 PM



今日も公園で君を待っている。
息苦しい生活にも、この時だけは落ち着ける。
ブランコの軋む音で、時間を刻む。


君と会ったのは、この公園。
休日、家に1人でいるのが辛くなった時に、
ここで心を落ち着けていた。
そしたら、君が話しかけてくれた。


やがて、休みの日はほとんどここで過ごすようになった。
ただ他愛のない話ばかりする。
職場の愚痴だったり、美味しかった料理の話とか。
君も奇抜な人がいただとか、晩御飯の香りの話とかを。

そしていつも日が沈む前に別れる。

最近、君が来ない日がある。
なんだか忙しそうだった。



日が沈みそうだ。今日も来なかった。

「さて、帰るか」ため息をつきながら、立ち上がる。
目線をあげた先には君がいた。

「ごめん、遅くなった」
走ってきたんだろうか、君は息を切らしながら言う。
「これを、渡したくって」

よれた手紙をもらう。君が恥ずかしそうに笑った。

「じゃあ、帰るね」
僕から離れていく。
「えっ、ちょっと、まっ…」
君が逃げた先に夕日。

眩しくって、君の手を掴めなかった手で光を遮った。
君が大きく手をふる。笑顔で。

きっとまた会えるって確信していた。
君のことなんにも知らないのに。



君からもらった手紙を開く。
そこには、君の秘密が書かれていた。

数年前、交通事故にあったこと。
もう実体ではないこと。
人々の記憶から忘れさられれば、消えてしまうこと。

最後に綴られていた言葉は、
「君に私が見えたことは、本当に奇跡だったんだ、ありがとう」



あの日、夕日を背に笑う君が忘れられない。

逆光でほとんど見えないはずなのに、
君の笑った顔が見えたのは、夕日が透けていたから。

横断歩道を渡る前、何も無い電柱に花を手向けていた。
この街の誰もが君を忘れても、僕は君を忘れない。


4/4/2024, 3:22:42 PM


いつも思いつくまま描いていた。
どんどん書き溜めていった。
誰にも見せるつもりなどない作品。
自分にとって「満足」な仕上がり。


だから、変な期待をして作品を投稿した。
みんなが読んでくれて、とっても嬉しかった。
また読みたいと反応してくれる人もいた。


こうなると自然と読者側を考えてしまう。
作ったシナリオたちは他人にとって面白いかどうか。
書いては消し、書いては消しの繰り返し。


だんだん何故か苦しくなっていった。
きっと誰もが当たるであろう問題。

自分も再三、ぶち当たってきた。
でも、この答えはもう知っている。


自分が書きたいものを書けばいい。
それでいい。それでいいんだって。

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