眠りにつく前に、ふと考える、君のこと。
君は私の何?
好きな人?
それは何として?
友達として?恋愛対象として?
私は君の何?
親友?
友達?
クラスメイト?
恋愛対象、はさすがにないこと知ってるよ。
私は君の役にたてているかな。
そうでなければ、私の生きる意味はなんだろう。
ねぇ、教えてよ、君は誰……?
目を開けると、朝だった。
結局、問いの答えはかえってこなかった。
私だけの空間、
私独りきりの空間、
あるのはそれだけだった。
永遠なんてあるのだろうか。
君と私の仲は永遠?
そうだって言いたいし、言ってくれたら嬉しいけど。
でも、きっと永遠ではないんだよね。
いつかは崩れてしまうものなんだよね。
君はいつまで私に付き合ってくれるんだろう。
いつ、私を見捨ててしまうんだろう。
つい幸せなエンディングを願ってしまう。
けれど、それは絶対的なものではない。
保証されたわけでもない、私の幻覚。
それでも、私の頭はこう思ってしまうんだ。
「君と永遠に一緒にいれたなら」
私の理想郷。
とりあえず、君は絶対に必要。
君がいない世界なんて捨ててやる。
あと、あの子もいればもっといい。
あの子も、私の大切な友達のはずだから。
あとはなんだろう。
美味しい食べ物。素敵な本。綺麗な景色。
そんな考えが頭に浮かんでは消えていく。
そうだ、なければいいものも考えようか。
辛いこと。
怒られること。責められること。見捨てられること。
そんなことがない世界。
ここで、私の中の理想郷はかき消された。
わかってるよ。そんな理想郷なんて絵空事なんでしょ。
クレヨンで塗り潰すように、私の心も塗り潰した。
暗がりの中で呟く。
「助けて」
その声はあまりにも小さすぎた。
誰にも届かなかった。
もちろん君にも。
「辛かったね」
「僕がそばにいるから」
その言葉だけでもほしかった。
その言葉さえあれば他にはいらなかった。
なんて、さすがにわがままだろうか。
君という光がこの暗がりにさすことはなかった。
紅茶かぁ。
そんなに飲んだことがないなぁ。
てかそんなに好きじゃないっていうか。
好きじゃないといえば、私はかぼちゃも苦手だ。
食べ物以外だと、解けない宿題も、うるさいあの男子も苦手だ。
それでも、君がいたなら。
君が「頑張れ」と言ってくれるなら。
少しでもこれらを楽しめるのかな。
好きじゃなかった紅茶の香りが、君との楽しい思い出になるのかな。