Name

Open App

暗がりの中で呟く。

「助けて」

その声はあまりにも小さすぎた。
誰にも届かなかった。
もちろん君にも。

「辛かったね」
「僕がそばにいるから」

その言葉だけでもほしかった。
その言葉さえあれば他にはいらなかった。
なんて、さすがにわがままだろうか。

君という光がこの暗がりにさすことはなかった。

10/28/2023, 11:22:30 AM