北極星は、南の星を夢見た

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2/13/2026, 12:35:06 PM

#102「待ってて」

もう戻らないものになんと伝えればいい?
ないようである あるようでない

見知った町の脇の一軒が突然消えて
それが何だったのかも思い出せないように

きっと大切だったことを

なんと伝えればいい?
だれに伝えればいい?

いつかは届くだろうなと空に飛ばした

軽い独りよがりの言葉がたどり着く先がある
そんな保証など何処にもないことを知っていたら

知っていたなら

大切なことは失った後に気付くというけれど
あなたは大切なことだけを荷物に入れて

どこかへ去ってしまったね
私に残したのは 虚しい希望だけ

「待ってて」

その想いが届く先がきっとあるんだって
紙飛行機で飛ばして 返事を待ちぼうけ


2/6/2026, 12:48:48 PM

#101「時計の針」

チックタック
あなたはホントにうるさくて
世界で一番やさしいの

「チックタック」
おばあちゃんちにあるハトさんのとけい
おばあちゃんみたいに、はなしかけてくる

「チックタック」
きょうはいやなことばっかりでさ

「チックタック」
もうおべんきょうもいやになっちゃう!

「チックタック」
すこしおひるねしちゃおうかな

「チックタック」
おやつのじかんに、おこしてね…

チックタック
チックタック

チックタック
チックタック

チッ…

時間に正確なあなたの優しい声が
時間を忘れるほど大切な居場所だったの

私と一緒に進もうね
止まってもまた動き出せるでしょ?
私が止まるときが、あなたの止まる時って

約束したでしょう…

2/2/2026, 1:08:27 PM

#100「返却期限」

山のように人の言葉を借りる
返却期限までに返せるかわからないから
今日も延長を繰り返している

他人から借りた言葉でしか
わたしは自分の感情を表せない
まるで赤ちゃん、みたいだね

あらゆる罵詈雑言を自らの頭で、表現で
振り絞って怒り狂うヒトの方が
よっぽど大人に見えてしまう

物書きに向いていない
俯瞰した物語に、結局酔ってしまっている
だからいつまでも大人になれないのだよ

借りたものを全て返すには
大人にならなきゃいけないのに

今日もわたしは、ワガママなわたしのためだけに
他人の言葉の羅列を読み取った

「ピッ」

9/7/2025, 12:43:54 PM

「誕生日おめでとう」

いつか世界が終わるとしても
目を星のように輝かせ、拙いプレゼントを
喜んでくれたあなたを思い出すでしょう。

いつか世界が終わるとしても
誇らしげに手渡してくれた折り紙を走馬灯に
あなたがいる明日を願うでしょう。

いつかあなたが誕生日を呪ってしまう日がきたら
わたしと一緒にあなたの奇跡を祝おう。

出会ってくれて、ありがとう
この世に生まれてきてくれて、ありがとう

どうか幸せをくれたあなたが
一番幸せでありますように。

8/27/2025, 1:47:42 PM

#99「ここにある」

もう何年もかいていない
ワタシを形作るなにかを、産み出せなくなった

岐路に立たされている
どこに行けばいいかなんて分からない
大人になっていく、サナギの自分を恥じなくては

悩む暇もなく、これから厳しい季節がくる
そして容赦なく花は咲く

そこに舞うキミの姿を想像して少し、悔しい

もう何年もかいていない
胸のうちに残した、ぐらりと光る黒曜石
あの頃の輝きはヒンヤリと冷めてしまったけれど

手のひらに感じるギラギラとした熱情
ワタシの気のせい、なのだろうか

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