#54「命が燃え尽きるまで」
こんにちは
わたし、あなたのおうちまで
はじめまして
わたし、あなたの口腔内に
さようなら
わたし、あなたの笑顔に恋をしました
また会いましょう
わたし、あなたに会いに行きます
命が燃え尽きるまで
そのためには、食べられたって構わない
#53「夜明け前」
夜明け前に、コウノトリは雲を育てていた
太陽の誕生だ。
そうして目を細める僕らは
大きく揺らいだ夏を、見通していた
嗚呼、あと3ヶ月もたったら
身を縮めて「寒いな」なんて
嘆いているのだろう
夜明け前に、コウノトリは雲を連れてきた
今日はきっと、空がきれいだ
#52「本気の恋」
恋とは…"異性"に愛情を寄せること
なんて。
見切り発車の恋をしたきみが
振り向いた時に、見えた言葉なんか
忘れてしまえばいい
思い出せ! ときめいたあの時を。
思い出せ! きみが愛したその人を。
思い出せ! この瞬間も恋に悩む自分を。
人を愛せる、自分を
あの人に恋をした、自分を
きみは強く、抱きしめてやれるか?
一生をかけて解いてゆく 青春の課題を、
人は「恋愛」と呼ぶ。
きみの「本気の恋」を
きみは、愛することができるか?
#51「カレンダー」
どうか明日を迎えられますように
そう願うことが、恐ろしいことなんだ
生きていたいから、明日がある
生きていたいから、絶望を繰り返す
生きていたいから、戦争が生まれてゆく
死にたくないからヒトは、破滅へむかう
生きていたいから
わたしは、今日もカレンダーをめくる
ぱらぱら
この世で一番、残酷な音だ。
#50「喪失感」
アタシを破いたのは 紛れもなくアタシだった
何度もことばを消しては 期限ばかりが迫る
小説家のような中でも アタシは
ただ アタシの真実だけを
抱いて生きていきたかった
それなのに
アタシを破いたのは 紛れもなくアタシだった
さようなら
それは、はじまりの喪失感
アタシの愛した純潔は アタシが消ゴムで
汚してしまいました。
未来のために