NN BOX 出会いをありがとう!

Open App
8/4/2025, 7:18:15 AM

【ぬるい炭酸と無口な君。】


単時は、コップに手を当てる。
すっかりぬるくなってしまった炭酸に、それほど時間が経ったのだと、気づかせられる。
空気は、もう抜けてるだろう。


…相変わらず聞こえてくるのは、蝉の声だけだ。



「……君の口が蓋ならば、炭酸は抜けなさそうだね。」


「は?」


「…………」
目を逸らす。


「…ばかじゃねえの」


「ふふ、ごめん。」
見つめてみる。


「はぁ……、だいたいな、お前のそういう……」


ねえ、単時、
静かな時間もいいけれど、
昔みたいにこうやって言い合う時間も僕は大好きなんだよ。


END

8/2/2025, 12:04:53 PM

波にさらわれた手紙



乱暴な波が、僕の心を落ち着かせてくれた気がした。
 

塩水にもまれて、沈むことなく対岸に届いたのなら、


彼女が蓋を開けてくれたのなら、


紙に滲んだ僕の気持ちも、ぜんぶ、全部


空に帰すのかな。


僕の願い事は、全部君にあげる。


だから、


帰ってきてくれよ、実。




8/2/2025, 5:45:52 AM

一年中、毎日だって、君のことを考えるけれど、


気温が暑くなるほど、思いも焦げていく。


もうすぐ、8月、君に会いたい。


そう思ってしまうのは条件反射なのかな。


帰った一夏の思い出。


川で遊んで、
虫をとって、
アイスを食べて


プールに行って……


子供の夏休みは長いと大人たちはいうけれど、
あの年の夏休みは、本当に一瞬だったな。


遊び疲れて見上げた明るい空。


明るいならまだ遊べるかも?とか二人で笑っておこられて。


……あの時の様には、走り回ることはできないけれど、


今年は、会えるといいな。

6/25/2025, 6:10:46 AM

空はこんなにも澄んでいる。


……絵の具をたらしたのならどうなるんだろう。


どんどん滲んでいって、最後には絵の具と同化してしまうのか。


色が増えるほど、
本当の色がわかんなくなっていく。


僕も、空みたいだったのかな。


にごった色は、もう……



……なーんて。



こころを くもりあめ にしてみると、たまにすっきりする。




にごった水は、僕の生きてきた証をしめしてる。


線画は、黒で描くだろう?


きっと、今は人生の枠組みを完成させてるんだ。


色塗りは、いつだってゆっくりしていけばいい。



黒を知ったのなら、何色にだってなっていける。


黒は、最強の色ってわけだ!
かっこいいしな!!


雨のち晴。


すっきりした!


さ、行こうっと!




6/22/2025, 5:00:35 AM

君の背中をおって走った。
だって、まだ伝えてないことがたくさんあった。
「待って!!!」


「お願い……っ!!」
僕の思いと逆みたいに、どんどん声が小さくなっていく。


っ…!
どんどん里の背中が小さくなっていく。
僕は、最後の力を振り絞ってめいいっぱいに叫んだ。



「里、ひとりにしないで……大好きだから!!!!」


普段の僕には、出せない言葉。
今なら、素直に言えた。



「……知ってるよ。そんなこと。」
少し間をあけて、笑いながら、里は振り返ってくれた。


「…っ!」



「俺だって、大好きだよ。
こんな親友しんでも会えねえよ。」
「ありがとな、里。」


「…っ!まって!!!」
「それなら、僕も一緒に行く!!!!」



「だめだ。」


「……っ!」


「俺の親友なんだから、分かってんだろ?」



「さ……と。」



「少し、離れるだけだ。」
「俺たちの絆があれば、また会えるさ。」


「さと……さと……」

里の名前を繰り返す自分を客観的に見てしまう。
どうして、言葉がでてこないんだろう。
僕は、僕は………


「はぁ……しゃぁねえな。」


冷たい身体が里に引き寄せられる。


「言葉なんて、いらねえよ。
おまえの顔で分かるっての。」

「また会えるから。本当だから、
またいつもみたいに、笑ってくれよ、な?」



「……うん。」

「また会おうな、湊。」


僕は、今の全部の気持ちを込めて、笑顔を贈った。




(二人がさいかいするのは、もう少し後のお話……)



HAPPY END



冷たい身体というのは、
里を失うと、身体が機能しないくらいという感じを込めてます。
(N N BOX)




Next