君の背中をおって走った。
だって、まだ伝えてないことがたくさんあった。
「待って!!!」
「お願い……っ!!」
僕の思いと逆みたいに、どんどん声が小さくなっていく。
っ…!
どんどん里の背中が小さくなっていく。
僕は、最後の力を振り絞ってめいいっぱいに叫んだ。
「里、ひとりにしないで……大好きだから!!!!」
普段の僕には、出せない言葉。
今なら、素直に言えた。
「……知ってるよ。そんなこと。」
少し間をあけて、笑いながら、里は振り返ってくれた。
「…っ!」
「俺だって、大好きだよ。
こんな親友しんでも会えねえよ。」
「ありがとな、里。」
「…っ!まって!!!」
「それなら、僕も一緒に行く!!!!」
「だめだ。」
「……っ!」
「俺の親友なんだから、分かってんだろ?」
「さ……と。」
「少し、離れるだけだ。」
「俺たちの絆があれば、また会えるさ。」
「さと……さと……」
里の名前を繰り返す自分を客観的に見てしまう。
どうして、言葉がでてこないんだろう。
僕は、僕は………
「はぁ……しゃぁねえな。」
冷たい身体が里に引き寄せられる。
「言葉なんて、いらねえよ。
おまえの顔で分かるっての。」
「また会えるから。本当だから、
またいつもみたいに、笑ってくれよ、な?」
「……うん。」
「また会おうな、湊。」
僕は、今の全部の気持ちを込めて、笑顔を贈った。
(二人がさいかいするのは、もう少し後のお話……)
HAPPY END
冷たい身体というのは、
里を失うと、身体が機能しないくらいという感じを込めてます。
(N N BOX)
6/22/2025, 5:00:35 AM