突然の別れ
家の鍵が見つかりません。
何処を探しても…
い、…家の鍵が見つかりません……っ!!
恋物語
きっかけは幼少時代
私は〈あの人〉に魅せられた
初めて心を動かされた
やりたいことなんて他になかったから
〈あの人〉と同じ道を歩んだ
けれど中学生になった時
「好き」というより「嫌いじゃない」
それだけの理由で《彼》の手を取った
どう考えても〈あの人〉の代わりを
探した結果なのに
それでも毎日愛を持って接した
一日中《彼》のことを考えたし
良い関係になれるように、
悩んで、ひたすら努力した
私の一番の自信になった
高校に入って、〈あの人〉に会えた
でも私は《彼》と上手く付き合えていた
周りにだって、
高校でも付き合うんでしょ?と
よく言われていた
どうしよう…。
だから私は前例のない無謀な策に出た
両方と付き合うこと
最低で馬鹿な考えだったけど
本気で両方と付き合えると思っていたから
本気でずっと愛せると思っていたから
私の愛は、誰にも負けていないと思う
でも…
「で?それを今『辞めたい』って思ってるんだ?」
「そう…。本当にごめんね、身勝手で。」
「まぁ、アンタ程の実力者が辞めたら部活的にはめっちゃ困るんだけど、1年間2つの【週5部活】を兼部したのはすごいって。」
「あはは…。出来れば今年もコンクール乗りたかったんだけどね。大会の日が重なっちゃって。」
「で?《吹奏楽》と〈合唱〉、どっちを退部するのさ?」
真夜中
真夜中が好き
私を黒く塗りつぶしてくれるから
真夜中が好き
見たくないものを隠してくれるから
真夜中が好き
光り輝くモノがより一層、美しくなるから
雲々の間に姿を隠す金の月は
真夜中の長い時間を
まるでアイスが溶けるような短い時間の様に
錯覚させる
月は好きじゃなかった
月の光が、私を照らそうとしているから
でもそれは違う
月は私を見ていない
月の後ろにいるモノの存在に
私は気づけなかった
アレは全てを見ている
見た気になっている
いつまでも
いつまでも
悔しいけれど
真夜中が好き
数多に光る、遠い光源を
ぼんやりと見つめながら食べるアイスは
格別に美味しいから
真夜中が好き
全てが美しいように思えるから
真夜中が好き
幸せな気持ちだと錯覚するから
愛があれば何でもできる?
「俺の《化学愛》によって、今回のテストは98点を取ることができたぞっ!!俺ってまじで天才だわ。」
「あー…。」
「そんな天才のお前に勉強を教えている、俺のお前への愛の方が負けてないと思うぞ?」
後悔
とてつもなく後悔をしている
やり直したい
復讐したい
悔しい
悔しい
悔しい
この気持ちを忘れたくない
忘れてはいけない
二度と繰り返さないように
でも
覚えているからこそ
前に進めない時もある
いっそのこと
この気持ちをすっかり忘れて
心晴れやかな状態になれたら
今の絡まった心が
解けてくれたら
苦しくないような気もする
後悔して
やり直して
上手くいったとしても
死ぬほどした後悔は
強く念じた想いは
私の中にずっと残るだろう
それはきっと
今の心の蟠りと
あまり変わらない
後悔する気持ちも大切
そこからやり直す意思も大切
でも
全て忘れて
まっさらな状態に戻った時
新しい気持ちが手に入るかもしれない
ホッとするかもしれない
奪ってしまったモノの大きさを
知らなかったから
感じられなかったから
生きていられた
普通の紙には
情熱的な絵は描かれなかった
その絵の価値が伝わらないから
普通の人間には
耐えられなかった
生きる価値が見つからないから