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恋物語


きっかけは幼少時代
私は〈あの人〉に魅せられた
初めて心を動かされた
やりたいことなんて他になかったから
〈あの人〉と同じ道を歩んだ

けれど中学生になった時
「好き」というより「嫌いじゃない」
それだけの理由で《彼》の手を取った
どう考えても〈あの人〉の代わりを
探した結果なのに
それでも毎日愛を持って接した
一日中《彼》のことを考えたし
良い関係になれるように、
悩んで、ひたすら努力した
私の一番の自信になった

高校に入って、〈あの人〉に会えた
でも私は《彼》と上手く付き合えていた
周りにだって、
高校でも付き合うんでしょ?と
よく言われていた
どうしよう…。

だから私は前例のない無謀な策に出た
両方と付き合うこと
最低で馬鹿な考えだったけど
本気で両方と付き合えると思っていたから
本気でずっと愛せると思っていたから
私の愛は、誰にも負けていないと思う
でも…

「で?それを今『辞めたい』って思ってるんだ?」
「そう…。本当にごめんね、身勝手で。」
「まぁ、アンタ程の実力者が辞めたら部活的にはめっちゃ困るんだけど、1年間2つの【週5部活】を兼部したのはすごいって。」
「あはは…。出来れば今年もコンクール乗りたかったんだけどね。大会の日が重なっちゃって。」
「で?《吹奏楽》と〈合唱〉、どっちを退部するのさ?」

5/19/2024, 5:40:24 AM