「突然の君の訪問。」
課題に追われている時に、インターホンの音が部屋に響きわたる。
画面を見るとそこには君が映ってて、課題終わらせたいし、出るのやめようかな…
と思っても、自然と自分の体は玄関の方へ
ドアを開けると「ごめん、急に。これ食べない?」とたこ焼き屋の袋を笑顔で持ち上げる君。
「急すぎだよ。しかも、何でたこ焼きなの」と言いながらも、心の中ではウキウキしている私。
課題はこの後終わらせればいっか、とも思ってしまう。
君の笑顔は私に心のゆとりをもたせる。
たこ焼きみたいに、何でも丸く包み込んでしまう魔法がある。
「雨に佇む」
立ち止まって耳を澄ませてみれば、話し声が聞こえてくる。
その声は一つ一つ違って、内容も違う。
話し声は大きくなったり小さくなったりしながら、次第に止まっていく。
話し声が止まった後には、きらきらと光る彼らの思い出。
話し声は私を落ち着かせ、思い出は私を元気付ける。
彼らの話が終わるまで、私は彼らの聞き役だ。
「私の日記帳」
お気に入りのノートを用意して、何について書こうかな―とノートとにらめっこ。
普通にあったことを書くのもいいけど、何か特別に工夫して書きたい。
と思って実行するのは、せいぜいこの日だけ。3日坊主にもなれない。
その分、日記を書きたくなる日は、とても特別な1日な気がする。
その日は、どんな日よりも記憶に残したいから―
そんな日が訪れたら、また会おうね。
「向かい合わせ」
横にいるよりも斜めにいるよりも、あなたをよく見れるとっておきの位置。
目が合うとついそらしちゃうけど、また目を合わせたくなるはがゆい位置。
あなたへの気持ちをうまく隠すことができないドキドキが止まらない位置。
向かい合わせってこんなにも、あなたと近いんだね。
「やるせない気持ち」
昔から、大人っぽい、落ち着いてると言われる。
言われるのが嬉しくて、大人っぽい言動を心がける。
そのせいか、相談してくれる友達も多い。
ある日、急に孤独を感じた。
友達に会いたいと思った。
けど…今まで友達にどうやって会いたいって伝えてたっけ?
思い返してみれば、自分から会いたいって言ったことがなかった。頼ったことがなかった。
今更、誰にも言えないこの孤独。
大人もこんな孤独を感じているのかな―
密かに心の中で思うだけ。