「心の灯火」
通りすがりに挨拶をされたり
近所の人が体調を気遣ってくれたり
誰かが自分の席を譲っていたり…
心が温まる習慣が当たり前だった少し前の日本は、多くの人が灯火を受けたり与えたりしてたのかな
「開けないLINE」
LINEの着信音がなる。
通知を見てみると、幼なじみからだ。
再び、LINEの着信音がなる。
通知を見てみると、遊ぶ予定を訊かれていた。
すぐに返信したいけれど、そうしたら一方的に思いをよせてるみたいで何となく…みじめな気がする。
まだ自分の気持ちは隠しておきたいから、あと少しの時間、あなたからのLINEは開けない。
「不完全な僕」
完全な人なんて誰もいない
とよく言うけれど、君は例外だと思っていた。
勉強も運動も顔もスタイルも…何もかも優れていて、君を完全な人と思ってた。
君とは昔からの付き合いで、よく一緒にいた。
最近では、自分と比較されるのがイヤで一方的に避けてたけど。
ある時、たまたま君の不完全な部分を目にした。
君のそばに行って何か声をかけたい気持ちと、完全な人ってやっぱりいないんだなと、前より少し身近に感じる気持ち。
不完全な君を見て親近感を抱いた僕は、君以上に不完全な人なんだろうな。
「香水」
フワッと香ったその瞬間、すぐにあの人だと分かる。
さわやかな中に、誰も触れてはいけない何かを秘めている、そんな香り。
心の奥深くまでは知ることのできないあの人とよく合っている。
あの人の近くにいると自分が、あの人に酔っているのか、香水に酔っているのか、分からないくらいぼーっとしてしまうんだ。
「言葉はいらない、ただ・・・」
あー…今までの君の人生で、私はただの幼なじみだったのか。
私、結構前からアピールしてたと思うのにな…
君があの人が好きって聞いてからは、もっと頑張ってたと思うんだけど…やりすぎだったのか
自分でも、心が汚くなっていってるのは気付いてた
あの人と直接会った時、嫌なくらい自分の汚さに気付かされたもん
これ以上、自分の心を汚したくないから、あなたのそばから離れることにしたの。
ドラマで言ったら、主人公のライバル?みたいな立位置にいる私のことを気にかけなんてしないだろうけど
一応、幼なじみとしての最後の報告。これからは、知り合いAぐらいの立位置でいるから
あなたからの言葉はいらない、ただ主役級の人生を他のキャストとつくってよ。
いつか観に行くから