「海へ」
友達って何だろう。
同じ友達と一緒にいることに、苦痛を感じるようになった。
一緒にいて楽しい時もある。けど最近は、一緒にいたくないと感じるときが多い。
話すネタが切れたときの沈黙、悪口を話してるときの重い空気…。学校にいる間ずっと一緒にいると、必ず訪れるこの瞬間に耐えられなくなっているのかもしれない。
これは私のわがままなのか。飽き性のせいなのか。
贅沢な悩みだ。
友達といたいと思う気持ちが、寄せては離れていく。
共感してくれる静かな相手のもとへ、今日も行こうか。
「裏返し」
ある日、自分には裏があることに気づいた。
今まで自分にはないと思っていたけれど、表が隠れたときに、裏は出てきた。色んな人の話を聞いたり、本を読んだりしたところ、裏は誰にでもあるらしい。
私は時々思う。相手を裏返したいなと。
反対に、裏返してほしいなとも。
相手と私の表同士で関係を築きたいから。
「鳥のように」
鳥のように、空を飛んでみたい―
いつかは本当に飛べるのではないかという期待を胸に、そう思っていたのはいつまでだろうか。
忙しない日々のなかで、時折同じようなことを思う。
鳥のように、空を飛んでみたい―
そこにはすでに、以前のような期待はない。
鳥のように飛べなくても、どこかの空で私ははばたけるのだろうか…そんな将来への期待と不安がある。
そうして再び、忙しない日々がやってくる。
「さよならを言う前に」
友達と遊んで別れるとき、何となく「さよなら」だけでは終わらせたくない。何か一言その前に言いたい。さよならだけではさびしすぎるから。そんなことを言っている人がいた気がする。そんなことを思いながら、友達と他愛もない話をしてると、あっという間に「さよなら」を言わなければならない場所はやってくる。今日見た景色、流れていた音楽、美味しかった料理…。全部含めて友だちとの思い出。さて、何と言おうか。別れ道に着き、ほんの一瞬の沈黙の後、自然と自分の口をついて出てきた言葉。
「今日はありがとう。さようなら。」
さようならだけではさびしすぎるならば、ありがとうを添えよう。ありがとうに今日1日の思い出、自分の思いをのせよう。