ゆかぽんたす

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2/25/2024, 8:54:06 AM

嗚呼、今日は人生で1番ついてない日だ。
そう思った日がこれまでに何度あったことか。
別に、あとから考えればそこまで大したことないんだけど。でもその時はもう、オレって史上最低な奴だくらいに落ち込んで凹んで、絶望する。感情の起伏が激しいのも理由の1つかもしんない。

で。
そんな今日も、今まで生きてきてもう何度目かの“最低最悪の日”だと認定せざるをえない日だった。こんな落ち込んどいてきっと明日になればけろっとしているだろうに、今はどうしようもないほど落ち込んでいる自分がいた。もう次の授業はサボるしかない。屋上に出て地べたに座り込む。ふと、体育座りした足元に目をやると、コンクリートの僅かな割れ目から草が伸びていた。しかも小さくて白い花をつけている。多分、雑草の類いなんだと思うけど、こんなところでよくもまあ生きてられるもんだな。まさしく雑草魂ってやつだよな。でも、その姿はオレには格好良く映った。なんか、図太さというか執念深さというか。そんな、言葉にするとあんまり良くないイメージなんだけどこれがぴったりとはまるから良いな、って思ったんだ。こんな場所でも生きてる小さな命。すげえなあって素直に思える。思ってるうちにもう、さっきまで自分が何に絶望してたかなんて忘れてしまった。そういうもんなんだよな、オレの悩みって。こんな、ちっぽけな雑草に救われるなんて。いや、悩みに大小関係ないように、命にも大きい小さいの順列は不要か。
よし。
次の授業はちゃんと出よ。

2/24/2024, 6:02:44 AM

まただ。またキミのこと考えてる。
昨日はサッカー部休みなのにどうして居残ってたのかなとか。
さっき、廊下で一緒に喋ってた女の子誰なのかなとか。
いいなぁ、あたしも喋りたいな。話そうよって気軽に言えたらどんなにいいことか。それができないから、今日も暇さえあればキミのことばかり。
最近のあたしの頭の中の中心はほとんどキミ。
考えない日なんて存在ない。

それって、もしかして……そゆこと?

2/22/2024, 1:07:50 PM

昔、近所に3つくらい違う女の子が住んでいた。母親同士が昔からの知り合いだったらしく、僕らも物心ついた時からよく遊んだりしていた。彼女は僕より歳上なのもあってか、いつも大人びて見えた。僕が落ち込んでたり、塞ぎ込んだりすると決まって笑顔で隣に座って話しかけてくれた。すごく柔らかい声で“大丈夫だよ”と唱えてくれるのだった。その声がなんだか心地よくて、不思議と悩んでいたことがどうでも良いことに感じられてしまうのだ。
「ほらね。なんてことないでしょ」
彼女がそう言って見せてくれる満面の笑みは太陽のような眩しさを放っていた。あの時から、僕はずっと彼女に片思いしていたんだと思う。小学校、中学、高校になってもずっと気持ちは秘めたまま。言い出せなかったのはどうにも勇気が湧かなかった、というのが主な理由だけどそれだけじゃない。あんなに優しくて可憐に笑う人なのだから僕以外にも彼女に思いを寄せる男なんて普通にいた。ある時、彼女が知らない男子と一緒に歩いてるのを見た。やっぱりそうたよな、と思った。そこでようやく、しぶとく持ち続けていた彼女への恋心を手放すことになったのだった。不思議とショックとか辛さは感じなかった。僕ももう子供じゃないし、こんなことでいちいちクヨクヨしてられない。こんな、笑っちゃうほど一方的すぎる片思いに敗れたことで――

あれからまた数年が経った。彼女は都内の大学へ進学したのでもう殆ど会うことはない。もしかしたら、向こうは僕のことなんて忘れてしまっているかもしれない。それを思うとほんのちょっとだけ寂しいけど、それも致し方ない。
結局、彼女への片思いを諦めたと言いつつもあの太陽のような笑顔を忘れられない自分がいた。本当に眩しくて綺麗だったんだ。笑顔が素敵ですね。それくらいは伝えても良かったんじゃないか。こんなことを何年も経ってから思ったって全く意味がないのだけれど。
でも、なにはともあれ僕の初恋があの人で良かった。それだけは言える。いくつになっても、それだけは。

2/22/2024, 9:33:15 AM

このままじゃ駄目だと思ったから、全部捨ててみた。
地位とか誰かに向けた期待とか悩みの種とか、全部。
そうしたら一気に肩の荷が下りた気がした。
僕がムキになって守っていたものはこんなちっぽけだったんだな。
一旦自分をリセットしたから、明日からはこれまでの生き方をする必要はない。逆に言えば手持ちのものは何も無い。丸腰の自分。ゼロからのスタート。
でも、良いじゃないか。守るものは何も無いって案外無敵かもしれない。

今の僕ならどこまでも跳べる気がする。さぁ、行くよ。

2/21/2024, 9:42:17 AM

「気の毒に。同情するよ」
そんなふうに言うくせに、アイツは昔からオレの悪口をみんなに流していた。何倍も誇張した悪い噂がクラス中に広められてしまったお陰でオレの居場所は無くなった。それが理由のすべてではないけれど、今日付けでオレは別の学校に転校する。
そして、教室の自分の荷物をまとめていたらさっきの言葉を言われた。吐き捨てるような言い方はちっとも同情しているようになんて感じられなかった。
「お前がいなくなると寂しくなるよ」
よくもこんな、思ってもないことを笑顔で言えるもんだな。コイツに尊敬するところなんてひとつも見当たらないが、演技力だけは人並み外れたレベルだなと少しだけ感心した。
「新しい学校ではうまくやれそうかい?寂しくなったらいつでも連絡してくれ」
ニヤニヤしながらそんなことを言うから、思わず聞いていて噴き出しそうになった。ちなみにさっきからしつこく話しかけられているけど、オレは一切相手をしてなかった。心の中では反応しているけど顔は無表情のままだ。コイツの存在を視界にすら入れてない。じゃあオレのほうが演技力は上なのかな?だがそうしたらもう、コイツは何の分野でもオレには勝てない。こんなにオレを真正面から敵対視してるっていうのに。そもそもオレは相手にすらしていないから、勝敗もクソもないわけだが。
それにしても荷物が思ったより多いな。さすがにこれ抱えながら帰るのはしんどいかもしれない。母さんに連絡して迎えに来てもらおうかな。
「っ、おい!いつまで無視してる気だ!いい加減オレの話を聞けよ!」
いきなり胸ぐらをつかまれた。顔を怒りで真っ赤に染めたソイツがオレに掴みかかってきた。相手にされなくて業を煮やしたらしい。
「おい、なんとか言えよ」
「ナントカ」
「あぁ?」
「ナントカ言えって言うから」
「てんめぇ……」
握り拳を振りかざすのを確認して、すかさずオレはヤツの足をかけ転倒させた。正当防衛だから文句言われる筋合いはない……って言っても、この低レベルはどうせ納得しないんだろうな。
「いきなり何しやがる!」
思った通り、尻もちをついたままでオレに喚き散らしてきた。惨めだなあ、と冷めた気持ちで見下ろした後、オレは荷物を抱えて教室を出た。後ろから待てこらとか聞こえてくるけどこれも無視した。
新しい学校はどんな感じだろうな。転校理由はクラスからのイジメにしたけど、実際のところは違った。もう、こんな低レベルな連中が集まった所にいるのはウンザリだ。それこそが、オレが転校を希望した理由だった。寄って集ってひとりの人間のあら探しをしてコソコソ笑ってる奴ら。こっちが相手にしなきゃ、さっきの馬鹿みたいにムキになってかかってくる。なんなんだか。
にしてもさっきのアイツのセリフ。同情するだなんて、言葉の意味を知りもしないで使うから決定的馬鹿だなと思った。憐れみも思いやりも持ってない人間が二度と口に出すなと思う。ただオレを見下したかっただけだろう。でもオレは最初から相手にしなかったから。それが叶わなくて結果、さっきみたいに暴力に頼ろうとする。低能すぎて呆れが止まらないよ。
そんなヤツは相手になんかしないで、オレは自分に相応しいところへ行くよ。さようなら、愚かなクラスメイト。いつまでもガキごっこしてるお前らに心から“同情”するよ。最高級の、憐れみを。


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