ゆかぽんたす

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7/30/2023, 6:47:59 AM

大丈夫。
何とかなる。
貴方には他でもない私がいる。
それだけじゃ不満?
どこまでだってついてくよ。
たとえそれが茨の道でも。
信じた先に嵐が来ようとも。
貴方が正しいと選べばそれが正しい。
だから決断を恐れないで。
私がついてることを忘れないで。
恐れるのも悲しむのも人間だもの。避けられない。
でも足を止めたらそこで終わる。
限界を決めるにはまだ早いよ。
自分の力は誰かと比較するもんじゃない。

だから行くよ、準備はいい?

“The first and best victory is to conquer self.”

7/29/2023, 5:42:23 AM

リョウくんとケンカした。となりの席の男の子。いつも勝手にわたしのペンケースからペンを抜き取ったり、教科書に変な絵を落書きしてくる。今日も勝手にわたしのペンを使おうとしている。やめてよ、と言っても聞いてくれたことはない。でも、何も言わないでいても変わらないのでせいいっぱい声をはり上げてやめてよ、と言った。リョウくんは「うるせーな」と言っただけでにやにやしている。毎日毎日こんなふうにいじわるされて、もうガマンできなかった。だからリョウくんに向かって思いきり消しゴムを投げた。リョウくんはもう笑うのをやめてびっくりした顔を見せた。その後、何も言わずに盗もうとしたわたしのペンを机の上においてきた。
その日からもう、リョウくんはわたしにいじわるしてくることはなかった。

昨日で学校は終わり。今日から夏休み。友達といっしょに自由研究をやろうね、と約束した。だから、学校は休みでも今日も明日も明後日も会うことになっている。でもリョウくんとは会わない。友達じゃないから。なのに、家を出たすぐのところにリョウくんが寄りかかっていた。わたしと目が合うとこっちにやって来る。
「ん」
にぎった手をわたしに向かってつき出してきた。なんだろう。よく分かんなくてぼーっとしてたら、手を出せ、と言われた。わたしの手のひらに何かが乗せられた。それは消しゴムだった。
「……なに、これ」
「おまえがこないだオレに投げてきた時にわれただろ。新しいの、買ってきた」
リョウくんはこまったような顔をしていた。こんな顔を見たことがなかった。いつもわたしには、ふざけていじわるな笑いばっかりしてくるのに。
「ありがとう」
もらっていいみたいなので、その消しゴムを受けとった。われちゃった時はたしかに凹んだけど、そこまでショックではなかった。それよりも、リョウくんがこのために家の前まで来てくれたことにびっくりしている。
「あのさ、」
まだ、何かわたしに用事があるみたいで。さっきから口をもごもごさせている。今日のリョウくんはなんか、変だ。いつものえらそうなふんいきが全然見えない。
「今日の夕方お祭りあるの、知ってるか」
「お祭り?知らない」
「それに、行こうぜ」
「え?」
何を言われてるんだかすぐに分からなかった。もう1回言って。そう言おうとしたのにリョウくんはぷいっと向こうを向いている。耳しか見えなくて、その耳は赤くなっていた。お祭りに、行こうって。わたしに言ったんだよね、今。
「いいよ」
答えたら、リョウくんはもう一度こっちを見た。やっぱり耳だけじゃなくて顔ごとゆでダコみたいに真っ赤だった。
「消しゴムなげてごめんね」
わたしがあやまると、リョウくんは別に、と言って、そしてまた顔を向こうに向けてしまった。でも別におこってないことは分かってる。じゃなきゃわたしをお祭りになんてさそってこない。
楽しみだな、お祭り。リョウくんと行くお祭り、楽しみ。

7/27/2023, 1:24:45 PM

今日も、空には月と星が瞬いている。それ以外の灯りはあまりない。もう殆どの店が閉まった時間帯。少しだけ薄気味悪い帰路を重い足取りで歩く。
連日の残業続きで心も体も疲労がピークだった。この生活に慣れる日は来るのだろうか。今夜もどうせ、帰って残された力を振り絞ってシャワーを浴びたらすぐベッドにダイブだろう。やることがあってもとてもじゃないけどその気力が起きない。せめてお風呂に浸かれたら。その為にはお風呂を沸かしといてもらえたら。そんなこと、一人暮らしの身には無理な話だけど。
地味にきついアパートの階段を登って、ようやく自分の部屋の扉の前に辿り着く。血の気が引いた。自分の家の中に灯りがついてる。消し忘れたなんて、今までになかった。恐る恐るドアノブに手を掛けると、なんと開いていた。
「……うそ」
さっきまで抜け殻状態だった体が急に強張っていく。全身の血の巡り方が一気に変化した。どくどく鳴る心臓を抑えられないまま、私は扉を開けた。
「あ、おかえり」
膝から崩れ落ちた。どっと吹き出た汗がまだ止まらない。何回か深呼吸をした後、不法侵入者もとい、自分の恋人を睨みつけた。
「遅かったね、お疲れ様。あんまりお腹空いてないと思って簡単なものだけ作っといたよ」
へらりと笑って彼は冷蔵庫からラップのかかった皿を取り出す。
「でも先お風呂入る?沸いてるよ。……って、どうしたの」
「びっ……くり、した」
「ん?」
「もう!来るなら連絡ちょうだいよ!」
「あはは。ごめんごめん」
彼は笑いながら座り込んだままの私に手を差し出してきたので、素直に掴んで立ち上がる。
「なんで急に来たの」
「え?来ちゃ迷惑だった?」
「そんなことはないけど。びっくりするじゃん。こんなこと、今までなかったから」
合鍵は渡していたけど、こんなふうに突然彼が来ることなんてなかった。前例が無かったから故に、こんなに驚いたのだ。
「ごめんね、驚かせて。でも、そろそろお前が潰れちゃう頃かなって」
だから救出に来ました、と言って私の頭に手を置く。その優しさが次第に染みてきて、うっかり泣きそうになった。
「……どうして分かったの?私がしんどいって」
「んー?神様がね、お前がヤバいから助けに行けって言ってきたんだ。だから来たよ、愛しの彼氏さんが」
「なに、それ」
なんてくだらない冗談なんだ。でもそれさえも、今の私には嬉しくて愛しくて。途端に全身の力が抜けて彼の胸に倒れ込んだ。

神様ありがとう。彼の前に舞い降りてくれて。

7/27/2023, 7:40:00 AM

え?その選択が誰かの為になる?
じゃあさ、その“誰か”って、誰よ?
仮に、そうすることでその誰かさんが救われたとして。
お前はどーなんの?何を得るの?
顔も名前も知らない誰かを救えたっていう功績?
まさか、自分の正義感に酔っちゃってるんじゃないだろうね?

まぁお前の選択は間違っちゃいないよ、お前が決めたことだから。正しいも間違いも、自分で選んだことなら第三者が評価する筋合いはないさ。
だからお前の理想通り、その選択を遂行したとして未だ見ぬ“誰か”が救われる。ソイツは幸せになる。ここまではお前も今描けてるんだろう?

けどな。
それで全てが丸くおさまるだなんて、そんな虫の良い話なんか無いことに気付け。誰かの願いが叶えば悲しむ誰かがいる。全員が幸せになるなんて無理だ。
即ち、お前がその選択をとって、“誰か”を救えたとしても、その裏側では嘆くヤツだっているんだよ。
それが誰だか分かってるか?お前がどれだけ必要とされてるか、自覚はあるのか?

泣くのを堪えるのがこんなにもしんどいことを初めて知ったよ。
いいか。1度しか言わないぞ。

俺の前から居なくならないでくれ。
良く分からない“誰か”より、俺を救ってくれないか。

7/25/2023, 12:35:07 PM

そばにいてね。離れないでね。僕だけを見ていてね。

言い聞かせたのはたった3つだけなのに。
キミはいとも簡単に約束を破った。
それって、どういうことか分かってる?
僕を否定したも同然なんだよ。
こんなに毎日愛を囁いているのに、僕以上にキミを愛せる人間なんて居やしないのに。
どうしてキミはそんな態度をとるの。
何が気に入らないの。
僕にどうしてほしいの。
キミには僕が必要ないとでも思ってるの?
そんなの馬鹿げてる。
僕から離れてキミが幸せになれるだなんてあり得ないんだ。
それでも僕から離れたいというのなら、試してみたっていいよ。
本当にキミには僕が必要ないのか実証してみせてよ。
ただし、1秒でも僕のことを考えたらキミの負けだよ。

その時は。
もう二度と出られないように飛べなくしてやる。

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