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2/24/2024, 12:43:09 PM

(ややセンシティブに感じられる内容と思われるものを含みますの読む際はご注意願います。あくまでも創作物の詩として読んでいただけたらと光栄に思います(*^^*))



むかし、むかし、あたしはね
快楽と云う名の イタズラの道具にされてたの。

それからというものね
愛されるのも、愛するのも
身体や心が強張るようになってしまったのでした。
ちやん、ちゃんー。


小さい頃からね
母親になるのが憧れだったのに

あたしのカラダときたら
あの日から厳重警備になってしまったのさ
ちゃん、ちゃんー。


なのにアイツらときたら
若気の至りでとかと言い訳してさ
幸せになりたいとかいって

あっという間にだれかの命の親になっていったよ。
世の中ってなんだか、おかしいね、。

心や命を弄んで
何が若気の至りだよ、
ちゃんと命に責任をもてってんだよ。


その一方であたしはさ、
たくさんの時間をかけて
科学の力を借りて

小さい命を宿すことを
諦めきる努力をしたんだ。



そしてようやく気づいたんだ。

あたしのカラダが
厳重に命を拒み続けた理由をね。

あたしのカラダはさ、
ずっと自分を守ろうとしてたんだよ。

自分が守れなかったあたしをよそに
カラダはずっと孤独に闘い続けてきたんだよ。

小さき命にもなれなでいるあたしの子どもの卵がさ
ずっと自分を大切にする意味を
あたしに教え続けてきたんだよ。

命を宿すのは奇跡って
簡単にいうけど
ほんとうはさ、ものすごい奇跡の連続で
もっともっとすごいことなの。


それでね、
どうかこの先は自分を大事にしなさいと
その卵はあたしに問いかけて
その殻を破ってくれたのでした。

守るよ、そのちいさな命。
守るよ、あたし自身も。今度こそ。必ず。


2/23/2024, 11:44:48 PM

LOVE 


を本当の意味で理解したのは
初めて我が子を抱いた時だ。

産んですぐに呼吸不全でNICUに運ばれた
我が子を抱いたのは産んでから5日目のこと。

管だらけで保育器に入っていた我が子を
ほんの数分間抱かせてくれた。

こんな小さな我が子はたくさんの機器に生かされながらも
懸命に生きていた。

ちっちゃい手、ちっちゃい足
だけど抱くと思いの外ずっしりと重く

命の重さと親になる覚悟を肌で実感した瞬間だった。

このか弱き存在を何が何でも守り抜きたい
そしてなにより愛おしい。

このちっちゃき存在は
ずっと自分を愛せなかった私に
自分を大切にする意味さえ教えてくれた。

ちっちゃき命
に私史上の愛を。

2/22/2024, 2:08:03 PM

母はまるで太陽のようなひとだった。

いつだって周りを明るく照らし、母自身が大変なときも笑顔を絶やさなかった。それ故、周りは人で溢れていたし、無条件に誰でも愛せて、時には相手の為に本気で叱ることも出来た人だった。

きっと母なりに悩みや挫折感もあったとは思うが子どもの私にはそれさえも光でとばしてしまってるくらい完璧な存在に見えてならなかった。

その子どもの私はというと、根暗で臆病で自信がない、自分なんて…が口癖のまるで真逆の存在だった。

歳を重ねるごとに私は顔立ちがどんどん母に似てきたので、母といると必ずと言っていいほど『お母さんにそっくりね』と言われてきた。

ぱっちりな目鼻立ちの母に似ているのは嬉しくもあったが同時に中身は全然似てないねと言われるのがセットだったので憂うつな言葉でもあったのだ。

まるで私は見せかけの太陽と言われている気分だった。あなたは太陽にはなれないとそう言われているように感じていた。

あの頃の私には太陽は眩しすぎた。

卑屈になればなるほどに私は太陽とはかけ離れていった。母とは心から向き合えない日々もあった。
 


それなのに、それでも太陽は私を優しく照らしてくれた。



…うん、やっぱり太陽には敵わなかった。



この先も太陽にはなれない私。私は落ちこぼれなのだろうか。



いや、きっと違うのだろう。太陽だけが星ではなく、それぞれの輝き方があってそれぞれの役割があるのだから。

それを教えてくれたのもまた母なのだ。

太陽なような母。太陽に成れぬ私。
あなたは太陽にならないでいいと教えてくれた母。

太陽のような。