『遠くの街へ』
知らない場所には興味と苦手さがある
誰も自分を知らず、関心ももたれない状態にリラックスする
なんでも新鮮に目に映る
だけど自分の中に、常に周囲に神経を張り巡らせている部分を感じる
どれだけ楽しんでも、慣れ親しんだ自分の街に戻ってくると、心底ほっとする
どっと疲れも出てくる
遠くの街で、自由に自分を解き放ちたい気持ちと、
絶えず周りに目を配るスイッチが入ってしまった結果の疲労を思うと
よっぽどの想いや勢いが必要になる
それでも、ふらっと計画もなしに遠くの知らない街へ行ってしまいたい願望は、常に自分の奥底にうっすらほんのり灯っている
『現実逃避』
今起こっていること
もっと言えば、今起こっていることに対する自分の感情
そこから目をそらす
逃げても、逃げていることはどこかで自覚しているから、
本当は自分の感情からは逃げられない
それでも「大丈夫大丈夫」
自分に言い聞かせる
何もかも、本当に全て大丈夫だったら、
一体どんな毎日、どんな毎瞬を過ごせるのか
-Ease and Grace-
気楽に優雅に存在する
それが理想!と言っているうちは、今そうでないと言っているようなもの
逃避ではなく、
思い込もうとしているのでもなく、
それがそもそも自然な状態
『君は今』
きっと自由に軽やかに走りまわっている
遊びながら私を待っている
私より先に彼女がいくよ
彼女は人も犬も苦手だから、
君が先にいって待ってくれていて助かる
私がいったら、またあの頃のように、
一緒に走ろう
その時の私はきっと、君たちに負けず劣らず軽やかだ
『空』
あの日の空は澄んでいた
春間近の柔らかな日差しが気持ちよくて
病院から帰ってそのまま、君と近所の公園に行った
君は私の腕の中で気持ち良さそうに穏やかに目を閉じていた
病気がわかってから、ほとんど動画を撮らなかった
久しぶりに腕の中の君を自撮りした
気持ちいいね、明日も来ようねと約束した
その日の夕方、君は旅立った
お正月はすごく元気だったじゃん
毎年見る桜、今年も一緒に行こうって言ってたじゃん
今朝もさっきもお尻洗った時、久しぶりにしっぽ振ってたじゃん
君が逝ってしまった日、私たちの病院通いを見守ってくれていた木に、びっくりするほどたくさんの花が咲いてたね
今年はあの時以上に蕾がぎっしりだよ
『命』
せっかく生まれてきたんだから精一杯生きたい
命を燃やす生き方をしたい
そう強く願っていて、
そうでない自分にいつもがっかりしていた
子供が成長し、自立し、
いよいよ自分の番
生き方を模索した
でも
私が本当に選んでいたこの生涯の目的は、
ずっと執着していたものと全く違っていた
いきいき自分の道を進んでいる人も
模索しながら頑張っている人も
思うようにならず絶望している人も
結局みんな自分が選んだ経験をしている
静かに自分をみつめる日々
私は自分の中で完結することを選んでいた
ここまでの経験も、これからの経験も
全て私が望んだもの