Airy

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10/22/2024, 12:31:42 PM

〜衣替え〜 小説

毎年、この季節になると思い出す
これは、新生活が始まって、社会人一年目に記念で貴方に買って貰ったね
このミニスカートのスーツは、こんな歳になるともう着れないけれど
衣替えの季節、いつもは開けないクローゼットを開けると、あの頃の幸せな思い出が温かさと共に蘇ってくる

10/20/2024, 11:11:47 AM

〜始まりはいつも〜 小説

始まりはいつも私だった
告白したのも私
会話を始めるのも
デートの計画を建てるのも
いつも私
でも、終わりはいつもきみだった
告白を好きでもないくせにOKして、片思いを終わらせた
私のメッセージに返信もせずに♡をつけて終わらせる
デートの別れ際、なんの寂しげも無く、むしろ嬉しそうに帰っていく
きみが初めてなにかを始めたのは、別れ話のときだった

10/19/2024, 11:41:02 AM

〜すれ違い〜 小説

きみのことは、もうすっかり忘れていたつもりだった
あの交差点で、すれ違うまでは
きみは、私と一緒に居たときとは、まるで別人のように変わってしまったね
けれど、きみが正解なのかもしれない
気づいていなかっただけで、時計の針がまだ凍てついたんだ
きみと別れてから、ずっと
きみは、その凍てついた針を溶かしてくれる相手と出会ったんだね
ねぇ、誰か
溶かしてよ
私は、まだ…また
1人なんだ

10/18/2024, 10:56:19 AM

〜秋晴れ〜 小説

楓の木の下、きみを待つ
楓の葉の情熱的な赤色は、澄んだ空とは対照的だ
きみは私よりもずっと早くこの空に溶け込んで、二度と還らない
けれど私は待つ
きみと出会った楓の木の下で
きみは透明だから、何処にいるかわかんないや
でも、きっとそばにいると信じている
「また、来るね」
私は、楓の木に手を掛けて言った
返事をするように、楓の葉が1枚ひらりと落ちる
一瞬だけ、きみの顔が見えた気がした
私は秋が好きだ
きみともう一度会える、唯一の季節だから



10/17/2024, 11:09:45 AM

〜忘れたくても、忘れられない〜 小説

花が落ち芽吹いてくる葉の香り
きみが姿を消したのは、この季節だった
夏の始まり、春の終わり
花粉症が無くなっても、心に残るむず痒さに腹が立つ

きみは、今どこで何をしているのだろうか
今も、あの頃の「きみ」のままだろうか
もしかしたら、この街に戻って来ているのではないだろうか

もう、私の事など頭の片隅にも置いていないのだろうか

そんな考えが頭を巡る度、私はきみへの思いを抑えることができなくなっていたんだ

でも、もう大丈夫
きみが街から姿を消して、もう何年も経ったけれど、やっと見つけた
きみはもうずっと…これからも私の近くにいるから
そのはずだから

だって、死体がひとりでに動くはずが無いでしょう?

葉の香りや、夏の始まりの不愉快な暑さを覆い隠すように

錆び付いた血の香りが鼻を掠めている

きみを殺めてしまった罪悪感
きみが「きみ」でなくただの物になった悲壮感
もうきみが何処にも行かないという高揚感

体は汗をかくほどに暑いはずなのに、頭はツンと冷えきっていて、酷く冷静だった

包丁を持ってきみを壁に追い詰めたときの悲鳴
どくどくと流れる真っ赤な血

そのときの感情も、情景も香りも

忘れたくても、忘れられない


いや…忘れたくもない
ダイスキな君と過した、ダイジなジカンだから







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