Airy

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〜秋晴れ〜

楓の木の下、きみを待つ
楓の葉の情熱的な赤色は、澄んだ空とは対照的だ
きみは私よりもずっと早くこの空に溶け込んで、二度と還らない
けれど私は待つ
きみと出会ったカエデの木の下で
きみは透明だから、何処にいるかわかんないや
でも、きっとそばにいると信じている
「また、来るね」
私は、楓の木に手を掛けて言った
返事をするように、楓の葉が1枚ひらりと落ちる
一瞬、一瞬だけ、きみの顔が見えた気がした
私は秋が好きだ
きみと会える、唯一のときだから



10/18/2024, 10:56:19 AM