文月

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3/31/2024, 1:51:23 PM

君とした会話が今でも脳裏に焼きつく。

「君と話したこと、したことすべてが、今となっては全て無駄に思える」

どう言う意図で言った言葉なのか、今は分からないが、あなたの中で何かが変わっていってしまったことだけは、よく分かって悲しかった。

別れ話はいつになっても慣れないし、したくもない。
目と声色、仕草を見れば、別れ話をされるのは考えなくてもわかるのに、脳はそれを誤魔化して、そんなわけない、と願ってばかりだった。

君の誕生日に、振られた。

君の故郷まで会いに行って、映画を観る予定だったが、落ち合って早々に切り出された話は、重くのしかかり、思考を停止させた。

振られる側は、なんと言っても、別れたい君の要望に答えるしかないのが切なかった。

どうか、幸せに過ごしてほしい。
泣いた分だけ、その倍笑って過ごしてほしい。
美味しいものを食べて、よく寝て、歳をとって、私との思い出も楽しかったと、


幸せだったと、

そう思って。

3/28/2024, 4:15:32 PM

昨日は嫌な夢を見た。

いつもの道をなんとなく歩いて、電車に乗り、大学へ行くだけの夢だけど、その道ですれ違う人全員が、私の視界から去るまで、私のことをずっと見つめていた。
人だけでなく散歩中の犬までだった。

コンビニの店員から、車掌までである。
夢を見ることがほとんどないのにも関わらず、久しぶりにとても気味の悪いものを見た。


今日は朝から気分が悪かった。
夢の通りの道を歩き、電車に乗る。
誰も見ていない。私を見ている人は1人もいない。
コンビニの店員すら商品を見て、パネルを見ているだけだ。


誰も目を見てくれない。
見てくれると言えば、スマホとテレビの中のアイドルだけだった。
君だけが目を見てくれた。



徐に画面のアイドルを見つめる。
心の中まで見透かされている。


心では気づいてはいるのだ。
誰も見てくれないのは、私が誰も見ていないからだった。
実際、私は人と目を合わせるのが昔から苦手だった。


来月は、君に会いに行ってみようと思う。
本物のアイドルの君の手を握り、目を見て、見透かされようと思う。




見つめられる夢は、
愛されたい、周りに注目されたい心の現れであった。


現代社会を生きる我々一人ひとりの、願いではないだろうか。





3/27/2024, 1:52:28 PM

僕はバレンタインが大嫌いだ。

今年はハート型チョコが特に流行っている。CMには新人女優の松木菜那。

今人気のあの子がCMをしているから売れているのか、単純に美味しいのか正直気になるが、そもそも僕はチョコが嫌いだ。

あのチョコの名前はマイハート、というらしい。
好きな人を思い浮かべて食べると恋が叶う。好きな人を思い浮かべてプレゼントしたチョコは恋を叶える。そんなジンクスがある。しかし、流行ると逆に買いにくくなってしまう。


松木菜那。
もう遥か雲の上の存在だと思ってしまう。


僕はバレンタインが大嫌いだ。
あの日君のチョコを受け取れなかった僕が嫌いだ。


あの日から僕はダメになった。








6年前の2/14の事故で、右手が使い物にならなくなり、左半身にもマヒが残っている。
君からの呼び出しに結局、答えられなかった。



僕はバレンタインより、何より、
松木菜那が好きだった。