文月

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君とした会話が今でも脳裏に焼きつく。

「君と話したこと、したことすべてが、今となっては全て無駄に思える」

どう言う意図で言った言葉なのか、今は分からないが、あなたの中で何かが変わっていってしまったことだけは、よく分かって悲しかった。

別れ話はいつになっても慣れないし、したくもない。
目と声色、仕草を見れば、別れ話をされるのは考えなくてもわかるのに、脳はそれを誤魔化して、そんなわけない、と願ってばかりだった。

君の誕生日に、振られた。

君の故郷まで会いに行って、映画を観る予定だったが、落ち合って早々に切り出された話は、重くのしかかり、思考を停止させた。

振られる側は、なんと言っても、別れたい君の要望に答えるしかないのが切なかった。

どうか、幸せに過ごしてほしい。
泣いた分だけ、その倍笑って過ごしてほしい。
美味しいものを食べて、よく寝て、歳をとって、私との思い出も楽しかったと、


幸せだったと、

そう思って。

3/31/2024, 1:51:23 PM