7/29/2024, 7:05:05 PM
嵐がこようとも
嵐の前の静けさ、ふと僕の頭にその言葉がよぎった。
高校一年生、夏、僕は恋をした。
彼女の持つ宝石のような瞳に、僕は心を掴まれた。
落としたらすぐにヒビが入ってしまいそうな宝石はより一層特別感を纏っているような気がした。
明日、僕は彼女と花火大会に行く。
とても緊張しているのになぜか心はとても静かだ。
これが僕に訪れる嵐を暗示しているのか、そう思った。
だけど、明日訪れるのが新しい春なのか、はたまた嵐なのか、僕にはまだわからない。
7/16/2024, 11:30:46 AM
空を見上げて心に浮かんだこと
ブーブーブー
携帯のアラームで目が覚めた。
そっとアラームを切り、重たい瞼を持ち上げる。
僕の目には少し黄みがかった天井が映った。
なんも面白みのない景色がそこにはあった。
「今日も仕事か」
空と聞けば青く広大なものを想像する。
だけどこんな日にはこの空でもいいな、そう思った。
6/26/2024, 8:31:18 AM
繊細な花
4時間目、パソコン教室の空気は体が冷えるように冷たく、私の腕の毛を逆立てた。少しでも気温をあげようと、窓を開けるとなま温い風が私の体の中に入り込んでくるように吹いてきた。
「地球にエアコンをつけられたらなー」
隣の席の彼女がそう呟いた。
差し込む光で立ち上がった僕の目から彼女は見えなかった。