私は猫を愛する、それ故に猫は私から遠ざかる。
触られるのを極端に嫌がり、気配を感じただけで距離を取ろうとする。
なんでだ、おかしいじゃないか。
この家でぬくぬくと暮らせてるのは誰のおかげだ?
毎日美味しいご飯が食べられるのは?
それはそれ、これはこれ。
そんなセリフが聞こえてきそうだ。
冒頭に書いたように、しつこいボディタッチが嫌なんだろうな。
でもさ、猫のモフモフを触らずに見ているだけなんて、拷問もイイとこじゃないかな。
いっそのこと丸刈りにしたろか。
スフィンクスのように毛がない猫になったら…まあ、それを可愛いと思うかは人それぞれ。
私はモフモフがいい。
だけど猫って、ワガママし放題。
いろんなもんを壊す、散らかす、盗み食う。
コード付きイヤフォンなんて、何個買い直したか。
娘が買ったヘアゴムなんて、何個紛失したか。
ダイソーがあって良かった。
カーテンやカーペットはボロボロ、トイレの周りは常に砂が飛び散っていて、臭い。
なんでこんな生き物と共存してるんだろう。
それは、我々が愛する、それ故に、至福の時を授けてくれるから。
たとえ、思い通りに触らせてくれなくても。
ツンデレの権化みたいな素振りでも。
交差点を渡っていた。
目の前の信号は青だった。
僕の前を、ベビーカーを押した女性が歩いていて、彼女の肩越しに、ベビーカーの中の赤ちゃんが笑ってるのがチラチラと見えた。
何が楽しいのか分からないが、幸せそうな笑顔だった。
そこに、一台のミニバンが突っ込んできた。
ノーブレーキで。
咄嗟に僕は、目の前の女性の背中を押した。
力いっぱい。
きっと彼女は、前方に倒れ込むような形で信号を渡り切ったはずだ。
そう思った瞬間に、全身を重い衝撃が走った。
訪れた静寂の中心で、僕の体は横たえられていた。
何の物音も聞こえない。
視界は生きていて、数人の男女が僕を遠巻きに見ている。
そのうちの一人が、スマホを耳にあててどこかに電話をしていた。
救急であってくれ。
友達へのサプライズ報告なんかじゃなく。
薄れてゆく意識の中で、横断歩道を渡りきった場所にいる母親と、ベビーカーに乗った赤ちゃんが見えた。
不安そうな顔で僕を見つめる母親の隣で、先ほども見せてくれた幸せそうな笑顔で僕を見つめる赤ん坊。
君は無事だったのか。
僕にあんな勢いで押されたのに、怖がらずに笑っていられるなら安心だ。
良かった。
心配しないで。
僕は正しいことをしたんだ。
きっと助かる。きっと誰かが助けてくれる。
目の前の母親か赤ちゃんが死んでしまったら、どちらだとしてもあまりにも辛い現実が待っていた。
母親を失った赤ちゃん。赤ちゃんを失った母親。
どちらも見たくない。
僕は、もうすでに両親に先立たれていてね。
たった一人の肉親である姉がいるだけなんだけど、やっぱりまだ、お別れしたくない。
だから、この目は閉じないよ。
耳は聞こえなくて静寂のままだけど、ここに集まった人達がきっと助けを呼んでくれる。
何人かがスマホで話してる。
何人かがスマホで撮影してる。
そしてほとんどの人達が、不安そうにただ、目の前を通り過ぎてゆく。
この、静けさの中で、命を終える可能性を考えた。
可能性は、ある。だから考えた。
だけど、可能性がある、ということ以外、何も分からなかった。
たぶんきっと、死ぬことについて、真剣に考えたことなど、なかったから。
考えなくていい、人生を送ってきたから。
幸せだったんだな。
あ、救急車だ。
ありがとう、誰かが、僕の命を救おうとして、くれている。
でももう、体の感覚が、ほとんどない。
どこも痛くない。なんだか眠い。
少し眠っても、いいですか?
目覚めたら、そこはどちらの世界なんだろうか。
真っ白な部屋で、僕は、目覚めた。
山が燃える。
京都の大文字焼きの話ではない。
秋の紅葉、山の木々が赤やオレンジの色を付け、春夏の緑や冬の茶色を凌駕する景色を見せてくれる。
まるで、山全体が燃えているかのように。
色鮮やかな自然の彩色美。
葉は燃え尽きて、木々は枯れゆく。
有終の美を魅せて、里山は終わりゆく。
時の流れ。四季の折々。
そしてまた、来年の春には新緑の季節が訪れて、そこに桜のピンクが入り混じり、華やかな始まりを演出してくれる。
素晴らしいこの国の季節それぞれのショー。
永遠に公演を続けて欲しい。
終わりのないロングラン。
私達が守り続けたい。
悲しい夜があったね。
誰かに裏切られたり。
そんな夜も空には Mr.moonlight.
ただ、僕達を見下ろしていた。
黄色い moonlight 浴びて、僕達は何かに導かれて。
延々と続く百鬼夜行。
歩道橋の下をくぐる。
懐かしい子守歌のような、愛に満ちた歌を聴かせてくれよ。
Mr.moonlight.
空を渡りゆく夜のカモメ。
一声鳴いて雲の向こうに消えた。
Mr.moonlight.
悲しい夜の途中で、
誰かに愛を求めたり。
そんな夜に浮かぶ Mr.moonlight.
ただ、他人の光を受けて輝く。
黄色い moonlight 浴びて、僕達は時間を遡って。
延々と続く輪廻転生。
その一端に触れて戸惑う。
美しい賛美歌のような、憐れみに満ちた声を聴かせてくれよ。
Mr.moonlight.
命を紡ぐ人間達の宴。
雄叫びを上げて夜の静寂を壊す。
Mr.moonlight.
信じていたことが、暗闇に溶けてゆく。
許したはずの言葉が、涙でにじんでく。
悲しい想いの Mr.moonlight.
懐かしい子守歌のような、愛に満ちた歌を聴かせてくれよ。
Mr.moonlight.
もうこれは、おんなじこと書く人が結構いたりして。
毎日のお題。
書くのは楽しいけど、やっぱり毎日は疲れるよね。
精力的に毎日そこそこの量の長文傑作を書く人もいるけど、私にはそんなん無理だ。
何にも浮かばない時も多々ある。
だから、今日だけ許して。
明日から頑張ります。
…いや、そろそろ限界も見えてきてるかな。
最近、noteにも作品投稿を始めた。
同じように、お題をもらって投稿するコラボ企画も多く、結構フル回転で物語を考えてたりする。
今日のように休日ならまだしも、平日の仕事のある日はそれなりに時間に追われる。
もちろん、毎日書かなきゃいけないルールなんてないのだが、性格がね、やるならやる、やれないならやめる、的なところがあって。
実は、もうすぐ皆さんからいただいた❤が「10000個」達成となるので、これを目標に頑張ってみようかな、と。
あまりにも個人的な話でゴメンナサイ、ですが、これを達成したら、このアプリも晴れて卒業、みたいな感じで、自分勝手に目標を定めております。
まあ、誰に影響のある話でもないんですが、こうして思いのままに書かせてもらった作品を読んでいただき❤をもらっていたことは、少なからず繋がりを感じて感謝してもしきれないことですので、ちょっとこの辺でお伝えしておきたいな、と。
結局、徒然なる駄文でこんなに書いてしまいましたが、まあ、今日だけは許していただきたい。
お題もそう言っていますので。
ホントは、このお題なら三行で終わる予定でしたが。