Ryu

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8/12/2024, 3:16:48 PM

夏が終わる頃、君達が奏でる音楽を聴く。
何よりも、夏の終わりを感じさせる音楽。
カナツクホーシ、カナツクホーシ。
少しは涼しくなるのかな。
エアコンを消してもいいのかな。

酷暑の中のミンミンよりは落ち着いて、リラックスして聴けるミュージック。
厳しい夏を乗り越えた感もあって、感動のフィナーレにも思える。
もしくは、静かに始まる次の季節へのプロローグ。

いずれにせよ、耳に心地良く、ベースが入ったらもっとエモくなるかも。
夏の終わりのハーモニーってやつだ。
今はまだ、その心地良さがイメージ出来ないけど、必ずその日は来る。
それまでは、ジャズでも聴いて心和ませよう。

ミンミンジージー雄叫んで、終いにベランダでひっくり返って死んだフリをするのはやめて欲しい。
次のステージ奏者にバトンを渡して、静かにフェードアウトしてゆくのが粋ってもんでしょ。
夏の終わりのセレモニーってやつだ。

今年の夏も頑張ったね。
来年また会いましょう。
次の世代のアーティスト達に。

8/11/2024, 12:09:17 PM

娘がまだ幼かった頃、親戚一同集まって、馴染みの小さな小料理屋を借り切って新年会をやっていた。
一軒家のようなお店で、その一部屋を使う感じ。
結構広い部屋だったが、子供達は退屈すると部屋を出て、廊下の探索を始めた。
何をやらかすか心配なので、私もついて回る。
廊下もお店の内らしく、机の上に様々な装飾品等が置かれていた。

その中に、麦わら帽子を被ったフランス人形が。
麦わら帽子は、普通に人が被るサイズのもの。
誰かが後から被せたとしか思えない。
帽子のツバで顔が見えないほど前に傾いており、その顔が見たかったのか、娘が麦わら帽子を動かして、人形の顔が見えるように後ろにズラした。
可愛らしい顔をしていた。右目の周りが黒ずんでいたが。

その後、しばらく廊下で遊んで部屋に戻ろうとすると、薄暗がりの廊下で、女性の店員が人形の麦わら帽子を元の位置に戻し顔を見えなくして、そっと手を合わせているのが見えた。
少しゾッとしたが、大事にされてる人形なんだなと無理くり納得して、新年会の続きを楽しんだ。

その帰り道、車の中で娘が、ボタンを押すと音楽が鳴る玩具で遊んでいた。
すると、童謡が流れるはずのその玩具から、聞き覚えのあるクラシックのメロディが。
これは…「亡き王女のためのパヴァーヌ」だ。
「凄い、その玩具、こんな曲も入ってるんだ」
「いや、ないよそんな曲。勝手に鳴ってる」
「えっ…」

来年、また新年会であの店に集まったら、店員さんにあの人形について聞いてみよう、と思っていたのだが、次の年の新年会は何故か予約が取れなくて、他の店でやることになり、それから早二十年近く、あの店には行ってない。

なので、オチのない話になってしまうのだが、見解としては、あの人形には誰かの魂が宿ってて、それを鎮めるために薄暗い廊下で顔を隠して置かれていたものを、娘と見つめ合ったことで意気投合して我が家の車に乗ってきたと。

…とゆーことは、その魂は今どこに?って話になるのだが、家族の誰もがフランスには特に思い入れもなく、K-POPの話で楽しく盛り上がっているので、特に支障はなし。

8/10/2024, 11:30:51 AM

雨が降っていた。
普段、通勤に使っているバスで、終点まで向かう。
降りたバス停は海岸沿いだった。
こんな所まで走ってたんだ。知らなかった。
傘をさして砂浜に降りる。
波は高く、遠くの岩場に激しい水しぶきが上がっている。

こんな日に来るべきじゃなかったな。
そもそも、来る必要がなかった場所だ。
突然、仕事が嫌になった。
出勤の途中、バスの中で「このままどこまでも行ってみよう」と思い立った。
よくある感傷行動だ。
バスなら、そんなに遠くまで行くこともない、と踏んでいたが。

我が県に海などない。
バスって県をまたいで運行してるんだっけ?
その辺は詳しくない。
とりあえず、雨をしのげる場所を探したが、海の家なども無く、海岸沿いの通りには住宅がちらほらと。
どこなんだ、ここは?スマホの電波も届いていないようだ。
仕方なく、傘をさしたまま、砂浜に座り込む。

二時間が過ぎた。
なんだか、頭がボーッとしている。
ここは…どこだ?
なんで私はこんなところにいるんだろう。
立ち上がる気力がない。
見ると、砂浜から数本の手が生えていて、私の足首やスーツの裾を掴んでいる。

…ああ、それで動けないのか。
なんだか妙に納得した。
もう、家には帰れないのかな。そんなことを思う。
これが、自分が望んだことなのかどうかも分からない。
ただ、成り行きに任せるのが一番だと、心の声が言っていた。
今までだってずっとそうやって生きてきたから。

「そろそろ帰ろうよ」
背後から、今は亡き妻の声。
座ったまま振り返るが、誰もいない。
だが、遠く離れたバス停に、見覚えのある姿が立っているように…見えた。
掴まれていたすべての手を振り切って、立ち上がり駆け出す。

…バス停には、誰もいなかった。
数分後にやって来たバスに乗って、海辺を後にする。
見知った自分の住む街に戻ってきた頃、職場からたくさんの着信、メールがあったことに気付く。
今日はこのまま家に帰ろう。明日は大変そうだ。
でも、明日を迎えられる自分がいることに感謝しよう。

8/9/2024, 2:14:35 PM

すべての出来事に意味なんかない。
頭の良いニンゲン達が、後付けで設定したものばかり。
彼らがいなければ、この世界は単なる成り行きで動いていた。
いや、今だってそうだ。
意味があるような雰囲気に騙されてる。

だってさ、失恋したから何だって言うの?
次の恋を探せばいいじゃない。
就職と同じで、ダメなら次に期待すればいいじゃない。
運命の人とか、もう恋は出来ないとか、悲観的になることに何の意味があるの?
時間を無駄にするだけで、意味なんかないと思うよ。
それっぽいドラマの見過ぎじゃないかな。

厄介なのは思い出か。
だけど、思い出は次の恋を邪魔したりはしない。
記憶の中に残っているだけ。
それだって、新しい毎日を生きていれば塗り替えられてゆく。
すぐには次の恋に出会えなくても、それを夢見て送る毎日に塗り替えられてゆく。

すべてが上手くいかなくたっていいじゃない。
それは成り行きなんだから。
上手くいかないなら、いく方法を考えながら日々を楽しく生きよう。
上手くいかなきゃ楽しく生きられないなんて、ハッピーエンドな映画の観過ぎだよね。

結局ニンゲンは、上手くいかなかったことばかり大きく鮮やかに残そうとする。
心とは裏腹に。
大人になった今もずっと消えずに残ってるもんな。
そんなんばっかり。
そいつらはそのままで、これからの行動には影響させずに、次のアクションを起こしてゆく。

そんな風に生きていきたい。
すべては自分への願望、希望。
生き方は人それぞれだから、もしも心に刺さった方がいたら、何かのお役に立てることも期待。
まあ、そうは上手くいかなくたっていい。

8/8/2024, 2:17:02 PM

蝶よ花よと育てた我が子は、気付いたら大人になってた。
抱っこして公園を散歩していた日々は、もう戻らない。
切ないけど、成長してるってことだもんな。
無事にここまで育ってくれたことに感謝してるし、これからも思うように生きていって欲しい。

蝶のように、花のように、外見の美しさとともに、心のうちまで美しく…いられない時もあるだろう。
人には心があるから、その翳りはきっと外見にも現れる。
だけど、それはお互い様。
そこを認め合って、支え合って、ともに前に進んでゆくパートナーを見つけて欲しい。

…いや、まだいい。
でも、いずれは…いや、まだ当分はいいか。
…ん?もういたりする?
嘘でしょ?…いや、知らんけど。

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