Ryu

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5/16/2024, 3:28:38 AM

後悔なんかしたくない。
だから走った。
力の限り走った。
君に伝えたい言葉が、ある。

もう手遅れかもしれない。
こんな心変わりを、受け入れてもらえるだろうか。
どちらにせよ、この想いだけは君に伝えたい。
だって本当に好きだから。妥協はしたくないから。
ずっと付き合っていきたいから。

だから走った。
力の限り走って、やっと君のもとに辿り着き、声を大にしてこの想いを伝える。

「さっきカツカレー注文して、銀行にお金を下ろしに行っていた者ですが、やっぱり大盛りにしてもらえますか?」

想いは伝わった。
しっかりと愛情大盛りのカツカレーに出会えた。
これに出会えなければ、きっと今日一日後悔したことだろう。

5/15/2024, 12:38:48 AM

夜風に身を任せ、公園のベンチに座っていたら、見知らぬ男性に声をかけられた。

「泣きたい夜はありませんか?」
「え…今夜がそーですけど、何故です?」
「何がありました?」
「…いやぁ、仕事でやらかしちゃいましてね。これで何度目か。いい加減、上司にも呆れられて」
「なるほど…まあ元気出して、家に帰ってぐっすり寝て、明日また頑張ればいいじゃないですか」
「…それだけ?」
「それだけ…とは?」
「いや、何か藤子不二雄的なことでも起こるものかと」
「私にそんな力はありません」
「じゃあなんで私に声をかけたんです?」
「いや…私もね、経営していた会社が潰れてしまいましてね。あなたと同じようにこの公園で…」
「夜風に当たって途方に暮れていたと?」
「そーです。そして、この奥にある木で首を吊りました」
「ああ、やっぱり…」
「成仏出来ずに揺られていたら、あなたがこのベンチで夕方からずっと動かないもので…とゆーか、驚かないんですね」
「いや、私も同じですからね」
「…と、言いますと?」
「ついさっき、衝動的に手首を切ってしまいました」
「それはそれは、早まりましたね。たかが上司に怒られたくらいで」
「何でしょう、夜風に身を任せていたら、急にそんな気持ちに…あ、誰か来ますね」

くっそ、有り金全部すっちまった。
明日からどうやって生きてきゃいいんだよ。
誰か、金貸してくんねーかなー。
あ、あそこのベンチに座ってるサラリーマン、金持ってるかな。
こーなったら、あいつから金奪って逃げるか。

「ああ、あの人があなたの死体を発見してくれそうですね」
「なんか申し訳ない。こんなに血まみれなのに」
「お金を奪うだけで通報してくれなかったら困りますが」
「あなたはどーなんです?体の方はどちらに?」
「もっと公園の奥の林の中です。人目につかないところで」
「なるほど。それじゃなかなか発見してもらえませんね」
「もう、半年もぶーらぶらですよ。今も夜風に身を任せて、心地良く揺れてます」

その時、男の悲鳴が公園に響き渡った。
慌ててスマホを取り出し、警察に通報しながら、公園を一目散に飛び出していく。

「さすがに、死体からお金だけ奪うほどのロクデナシではなかったよーだ。良かった。これでちゃんと供養されて成仏出来そうですね」
「ありがとうございます。ところであなたは、これからどーするんです?」
「どーするこーするも、死んでしまったら何にも出来ませんしね。後悔先に立たず、ですよ」
「泣きたい夜を続けていく訳ですか」
「生きてても、死んでても、ね。死ぬことは逃げ道じゃなかった」
「私も、もし成仏出来なかったら、ここに戻ってきます。たぶん、こんな死に方では、素直に成仏出来ないような気がしてるんですよ」
「うん…あの逃げていった彼には、何とか明日を立て直してもらいたいですね」
「ええ、そのために私のお金を使ってくれてもいい。死んだ後でも、人助けが出来るんなら本望ってやつですよ」
「…今夜はもう少し、ここで話しませんか。生きていた頃の思い出話でも」
「いいですね。お酒が欲しいところですが…この夜風が気持ちいいから、良しとしますか」

しばらくの後、公園はサイレンを鳴らしたパトカーや野次馬で大騒ぎとなった。
ベンチで息を引き取っていた男性とともに、公園の奥の林の中で首を吊っていた男性の遺体も発見され、マスコミも到着しての人だかりとなる。

夜も更けて公園の人だかりは消え、心地良かった夜風が冷たくなる頃、ふたつの魂が、泣き笑いしながら天高く成仏していった。

5/14/2024, 3:52:11 AM

時間は裏切らない。
誰にとっても平等に、同じスピードで進んでゆく。
だから、失われた時間なんか無い。
平等に与えられているのだから。

それなのに、気付けば何のアイデアも浮かばず、時間だけが過ぎてゆく。
何も生み出せない時間は、失われたと言えなくもない。
この後、何かイイ作品が生まれてくるのであれば、それはそれで生みの苦しみを乗り越えた甲斐があるのだが、そんな素質は持ち合わせておらず、時間だけが過ぎてゆく。
時間は裏切らないが、自分の能力が時間を裏切ってる訳だ。

まあ、しがないサラリーマンなんで、それは別に問題ないのだが、自分で納得のいく作品が出来た時は、それはそれでかなりの満足感を得られる。
収入に繋がる訳でもないのに、仕事の成功より大きな喜びだったりする。
誰かのために働くことも人生の糧であったりはするが、自分という人間が生み出す世界にいつだって期待してるんだな、俺は。

…とかカッコつけても、何も浮かばない。
失われた時間、という言葉を繰り返す、職場の昼休み。
ああ、昼飯を食う時間が失われてゆく。
俺の才能がほとばしるチャンスもないままに。
やっぱり、収入に繋がらないとやる気が出ないのかも。
せめて、ご褒美の❤を…。

時間は裏切らない。
誰にとっても平等に、同じスピードで進んでゆく。
そして、無慈悲にも昼休憩は終わってゆく…。

5/13/2024, 2:24:56 AM

半世紀生きたけど、大人になれた気がしない。
いや、とゆーより、大人の定義って何なんだろ。
二十歳を超えたら大人だってんならもう立派な大人。
子供を作ったら大人ですってんならもう立派な大人。
働いて稼いでたら大人だってんならもう立派な大人。
どれもクリアしてるけど、実家の両親に会えば、自分はいつだって彼らの子供な訳で。

屁理屈っぽいが、どこかで明確な線引きがされているとしたら、成人の日か。
でも、その日を境に自分の何が変わる訳でもない。
近年、大人の都合で成人年齢が18歳に引き下げられたりもしてるし、そこでなきゃならない理由もないようだ。
結局、もう大人なんだから、とか、まだ子供のくせに、とか、都合のイイ扱いをするための詭弁なんじゃないかと勘ぐってしまう。
イイ年こいて。

人の成長は一本道だし、どこかでガチャンとトランスフォームする訳でもない。
そんな人生のある時点で、急に「あなたはもう大人です」とか言われても、「何が?」って話だと思う。
気付いたらこんな年になってた、ってのが現実だし。
別に、子供のままでいたかった訳じゃない。
大人には大人ならではの楽しさや特権や自由があるし、子供時代の幸せだった記憶だってあるから、今ここにいることへの不満はない。

ただ、例えば子供を相手に、大人としての対応を求められる場面があったら、いまだに戸惑う自分がいる。
だって、大人になれる研修なんて受けてない。
自分のままで年を重ねただけだ。
もちろんそれなりに人生経験は積んだけど、それは人それぞれであって、きっと対応は十人十色だと思う。
だとしたら、それは大人としての対応ではなく、自分個人がどう動くかってことで、大人子供は関係ない話になる。

なのにきっとその対応によっては、「大人のくせに」とか言われたりする。理不尽だ。
どうすれば大人らしかったのか、教えてもらいたい。
もちろん、一般常識としての大人な行動はわきまえているつもりだが、最近、イイ大人がお店や公共の場で暴言を吐いたり暴力を振るうニュースをよく目にする。
大人の一般常識なんて、すでに崩壊してるんじゃないかと感じているが、そんな中で、大人らしさを歴然と説ける人なんているんだろうか。

ああ、なんだか話が面倒になってきた。
まあ要するに、自分は我が子に対しても、親としての責務は果たすつもりだけど、親だからといって重圧をかけたりはしない。
大人ぶって、子供に指図出来る権利があると思ってない。
だって、中身はたいして変わらないから。
数十年長く生きたくらいで、人間の中身はそう変わらない。
それに気付けない、気付きたくない奴らが、お店や公共の場で暴言を吐いたり暴力を振るったりするんだと思う。
もちろん我が子にも。

つまりは、そーゆー人こそ子供のままで、プライドだけが成人を迎えちゃってるんだろうな。
おめでたいな。

5/11/2024, 10:45:29 PM

愛は叫ぶものじゃないと思う。
周りの人の迷惑だ。
たとえほとばしる情熱があったとしても、熱く叫べばいいってもんじゃない。
想いを込めて、真摯に伝えよう。

恋愛なんて、基本は二人だけの世界であって、恋は盲目とばかりに周りが見えなくなるのも致し方ないが、決して君が愛を叫んでる場所が世界の中心ではない。
それはあまりにも自意識過剰だと思う。
僕達二人だけの戯言なので、道行く人のお邪魔になってたらゴメンなさい、ぐらいの気持ちで慎ましく愛を育もう。

もしくは家でやれ。
でも、家で愛を叫んだらそれこそ近所迷惑だ。
愛は叫ぶな、落ち着いて真心を伝えよう。
若いうちはね、そんな熱い気持ちになりがちだけど、若いからこそ、節操を持って恋するくらいがちょうど良かったりする。
そうでもないと、落ち着いてから若気の至りに赤面したりする。

いやでも…人間は、草食系に成り下がってはいけないのかも。
あくまでも貪欲に、肉食系でいくべきなのか?
そーしないと、ますます少子高齢化が進んで、この国の未来はダークサイドなのだろうか。
ならば、愛を叫ぼう。
節操なく、誰彼構わず。
自意識過剰が世界を救うのかもしれない。

まあ、愛を叫ぶのは、世界の中心でなく、心の中で、ってことなんだろうな。
そのくらいは熱くたぎってもいいんじゃないかと。
そして、人の恋路には口出すなってことか。
そりゃそーだ。
若気の至りは若いうちしか体験出来ない若さの特権だもんな。

とゆー、若さへの妬み嫉み暴露投稿でした。
話が二転三転して、節操がないのは私の方だった。
この国の未来をブライトサイドに導くために、
若者よ、激しい嵐のように、愛を叫べ!

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