Ryu

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5/11/2024, 7:07:40 AM

ひらひらと舞う。
夢のまにまに、幻のような情景。
時は移ろい、平成の鼓動が止まっても、
儚き生命の連鎖は巡る。
自由の糧を、咲き誇る花に集め。

お父さん、お母さん、また春が来ましたね。
白い季節の終わりに、いくつもの愛が問われ、
私のところにもひとつ、擦り切れて、落ちてきました。
拾い上げ、下駄箱の隅に飾っておいたら、綺麗なバラのような赤い花弁が開き、そこに一頭のモンシロチョウが。
廊下を舞い、窓枠にしばらく止まって、ひゅうと鳴いたかと思うと、外の世界へ旅立っていきました。
もう、出会うことはないのでしょうね。

ひらひらと舞う。
夢のまにまに、幻のような情景。
時は虚ろに、令和の息吹が芽生えても、
儚き生命の連鎖に嘆く。
労働の糧を、鱗粉の如き給与に。

世界というものは七色で、夕暮れに染まる朱色は混合色。
己の血の赤よりも薄く、意識は混濁の彼方で途切れる。
途切れた先の世界には夕暮れが訪れて、世界は七色だと告げるモンシロチョウ。
己の羽の白よりも薄く、透明なベールに包まれて飛んでゆく。
輪転地よりひゅうと鳴き、もう出会うことはない。

ひらひらと舞う。
夢のまにまに、幻のような情動。
言葉は朧げ、心の赴くままに紡いでも、
拙い表現の乏しさに憂う。
執筆の糧を、心の臓なる喜びに。

何故なるかはモンシロチョウの行方に。
並べ立てるは支離滅裂なる衝動の果てに。

5/10/2024, 12:09:12 AM

ホント人間って、どーでもいいほんの一瞬のこと、ずっと覚えてるもんだよね。
つまらない言い間違いとか、勘違いで恥かいたとか。
忘れていいのに忘れない。
何かの折に触れて思い出す。
そして、思わず身悶えしたりするのは…自分だけ?
出勤途中に不意に思い出して、思わずうめき声が出たことだって…うん、記憶に新しい。

幼い頃、親戚の高校生のお姉さんと一緒に歩いてて、ちょうど目の前に彼女の手があったので、自分に差し出されたもんだと勘違いして握ったら、ビックリしたような顔で慌てて手を引っ込められたという…幼心にはなかなかショックなワンシーンが、半世紀経った今でも忘れられない。
まあ、突然だったんで驚いた、みたいな他愛ない理由だと思うし、今となっちゃ、もちろんどーでもいいことなんだけど。

他にも、そんな類の忘れられないエピソードはいくつもあって、まさに「恥の多い生涯を送って来ました」って感じ。
きっと、心のどっか奥深くの引き出しにがっちりホールドされて、これからも解放されないんだろうな。
そんなもん墓場まで持っていってもしょーがないのに。
恥のひとつやふたつやみっつやよっつ、いや、いくつだろうが、かき捨ててしまえばきっと楽しい人生になりますよね、太宰さん。

とはいえ、そんな失敗経験の積み重ねが、今の自分を作っているとも言える。
あの日あの時、「ああ、女性の手はむやみに触っちゃいけないんだな」とインプットされた。
インパクト大だから効果も抜群だ。
まさに、忘れられない、いつまでも。
願わくは、この記憶が自分だけのもので、突然手を繋がれた相手側の心に、不快な思い出として残されていませんように。

5/8/2024, 1:42:14 PM

あれから一年後、異星人による地球侵略が始まった。
犬に擬態していた二人の異星人はあれから一年間、あの女子高生二人にお世話され、様々な情報を手に入れた。
ドッグフードは美味しい、古典の授業はダルい、学年主任はウザい、サッカー部の田中くんはカッコいい、等々。

これらの情報を惑星侵略の材料としてしまうところが、我々ドルナ・ドクマ星人の凄いところだ。
母船ではこれらの情報をAI解析して、様々な侵略計画を練ったらしい。
特にドッグフードは母船に旋風を巻き起こした。
信じられないほど美味いと評判で、こんな物を作れる星を破壊するのはいかがなものかと議論が起きたという。

そして一年後、我々の侵略方針が決定した。
擬態続行。
この動物の姿のままでいることによって、ドッグフードにありつける。
しかも、優しい女子高生がお世話をしてくれる。
戦わずして勝つ、とはこのことだ。
このまま我々ドルナ・ドクマ星人が犬に成り代わり、犬としてこの星を侵略していくのだ。

「なんかさー最近野良犬が増えた気しない?」
「するする。私達があのコ達のお世話してるからじゃないよね?」
「だからって寄ってくるとは思えないけど…ここにもあんまり来ない方がいいのかな」
「そのうち、保健所が動き出しちゃうかもね。そしたらワンちゃん達、可哀想」
「そーだね。今日はもう帰ろうか。マック寄ってく?」
「いいねーそーいえばさ、田中くんの噂、聞いた?マネージャーと付き合ってるとか…」

それからというもの、ペットショップに忍び込んで盗みを働く野良犬が増えたとか増えないとか…。

5/7/2024, 9:54:50 PM

初恋の日々は、遠い過去の思い出。
あのコは今頃どうしてるかな。
あんなに思い詰めたりもしたのに、今ではどこにいるのかさえ分からない。
自分にとってあんなに大きかった存在が、思い出すこともないほどに遠ざかる。

あれからいくつか恋をして、そして終わっていった。
楽しくて幸せだった時間。
苦しくて思い悩んだ時間。
今思えば、通りすぎてゆくだけの相手だったのに、本気で必死で一生懸命追いかけた。
あの純粋さはもう取り戻せない。

人は人と出会って、恋をしたり友情を育んだり、時に煩わしいだけの関係を築いて、それでもそこに運命を感じたりなんかして、気付けばただの思い出になる。
あんなに「絆」を信じていた相手でも、きっと今頃は、他の誰かとどこかで親睦を深め合ってるのだろう。
別に悲しくも寂しくもない。
ただ、時折思い出すだけの、自分にとってのサブキャラでしかない。

もちろん彼らにとっては、こっちが脇役。
彼らの人生のメインキャストにはなれなかったんだな。
あんなに本気で必死で一生懸命頑張ったんだけどな。
でも、その物語の一役を担ったことは確かで、時に煩わしいだけのキャラクターだったり、頼りになるサポーターだった時もあったはずだ、たぶん。

いずれにせよ、もうその舞台の幕は下りた。
今上演中の演目に力を注ごう。
初恋の日々は遠く、通り過ぎた人達もきっとどこかで幸せに生きている。
今目の前にいる共演者達と、今まで以上に素晴らしい作品を作っていこう。
いつか、本当の人生の幕が下りるその日まで。

5/6/2024, 1:06:19 PM

GW明けの明日世界が終わるなら、まあ、タイミングとしては悪くない。
もっと言えば、家族を残して自分だけ逝くのは後が気になるし、ましてや先に逝かれるのだけは勘弁してほしいから、世界ごと終わるんなら前2パターンよりはマシかなと。
まあ、いつまでも平和であってほしいってのが本音だが。

世界が終わるとして、地球規模の隕石が衝突して木っ端微塵とかなら一瞬で済みそうだけど、ゾンビウイルスみたいなのが蔓延して、ジワジワと感染の恐怖に怯えながらしばらく生きる、なんてのは嫌だな。
ちょうど今、そんなゲームをやってるからなおさら。
分かる人には分かると思うけど、おじさんと女の子がパンデミックな世界を旅する物語のゲーム、の続編。

人間同士の争いも相まって、かなり壮絶なドラマが繰り広げられる。
ゲームが終わって平和な世界に戻ってきて、ホッとするくらい。
昨日はメイズ・ランナーって三部作映画を観終えた。
偶然だが、これまたパンデミックな終末世界で生き延びようとする少年達の物語。
そしてこのお題。
近く、本当に世界が終わるんじゃないだろうな。

まあ、んな訳はないが、たまに思うことがある。
世界の終末を描いた作品は上記のようにいろいろあって、その中では人々の死が劇的に描かれている訳だけど、世界の終わりを迎えることと、ある日交通事故で命を落とすことは、自分にとってはまるで同じことだよな、と。
自分が死んでしまえば、自分にとっての世界は終わる。
たとえ雪道で滑って転んで頭を打って死んでしまっても、それは世界の終わりと同じことだと思う。

…と、そんなことを考えながら、これらの映画を観たりゲームをしたりすると、ハラハラドキドキが薄まってしまうから困ったもんだ。
どんな形であれ、生きてこそ、ってことなんだよな。

世界の終わりとか、命の重さとか、重大なテーマはじっくりと考えながら語るべきだと思うけど、何しろ書き出しが「GW明けの明日世界が終わるなら」なので、今日中にアップしないと辻褄が合わなくなってしまう、そして、GW明けの明日は仕事で朝も早い、なんて、どーでもいい理由で強引に終わらせます。

こんないい加減がまかり通るとは、
まったく、世も末ですな。

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