Ryu

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ひらひらと舞う。
夢のまにまに、幻のような情景。
時は移ろい、平成の鼓動が止まっても、
儚き生命の連鎖は巡る。
自由の糧を、咲き誇る花に集め。

お父さん、お母さん、また春が来ましたね。
白い季節の終わりに、いくつもの愛が問われ、
私のところにもひとつ、擦り切れて、落ちてきました。
拾い上げ、下駄箱の隅に飾っておいたら、綺麗なバラのような赤い花弁が開き、そこに一頭のモンシロチョウが。
廊下を舞い、窓枠にしばらく止まって、ひゅうと鳴いたかと思うと、外の世界へ旅立っていきました。
もう、出会うことはないのでしょうね。

ひらひらと舞う。
夢のまにまに、幻のような情景。
時は虚ろに、令和の息吹が芽生えても、
儚き生命の連鎖に嘆く。
労働の糧を、鱗粉の如き給与に。

世界というものは七色で、夕暮れに染まる朱色は混合色。
己の血の赤よりも薄く、意識は混濁の彼方で途切れる。
途切れた先の世界には夕暮れが訪れて、世界は七色だと告げるモンシロチョウ。
己の羽の白よりも薄く、透明なベールに包まれて飛んでゆく。
輪転地よりひゅうと鳴き、もう出会うことはない。

ひらひらと舞う。
夢のまにまに、幻のような情動。
言葉は朧げ、心の赴くままに紡いでも、
拙い表現の乏しさに憂う。
執筆の糧を、心の臓なる喜びに。

何故なるかはモンシロチョウの行方に。
並べ立てるは支離滅裂なる衝動の果てに。

5/11/2024, 7:07:40 AM