桜咲くこの季節に、新しい生活を始める。
親元を離れ、一人暮らしのワンルーム。
荷物の片付けを終えて、夜を迎える。
父親がビールを飲みながら見るナイターの歓声も、
母親が夕食後に食器を洗う水の音も聞こえない。
遠くから、街のどこかを走る救急車のサイレン。
コンビニ弁当をダンボール箱の上に置いて、
昨夜までとのギャップに心が沈んでゆく。
不安と寂しさ。
今はまだ知り合いもいないこの街で、
たった一人で生きてゆく。
遠く離れた故郷で暮らす両親の顔が思い浮かんだ。
自分が心身共に支えられていたことに気付く。
ただひとつだけ、今日という日に手に入れたもの。
どう生きていくかを選べる自由。
選択を誤れば、すべてが自分に返ってくる。
やっと、自分の時間が動き出したような気がする。
夜が深くなるにつれ、不安と寂しさにもうひとつ、
感謝が加わった。
両親に対する感謝、
こんな自分を受け入れてくれる世の中に対する感謝。
冷たい洗礼を食らう可能性もあるけど、
皆と同じスタートラインには立てた。
すべてはこれからの自分次第だ。
明日は仕事初日。
コンビニ弁当のゴミ分別も怠らずに、
今夜のところはダンボールベッドで夜を越えよう。
人生第二幕の扉が開く音を聴きながら、就寝。
ずっと大切にしてきたつもりだけど、あっけなく誰かに取られてしまう。
きっとそんな日が来る。
来なくても困る。
でも来て欲しくない。
思えば、自分も他人の大切なものを奪った過去がある。
そしてそれを、自分の大切なものにして、今を生きてる。
身勝手な話だ。
因果応報ってやつか。
でもまあ、奪った奴が大切にしてくれるのなら、それはそれで許される話に…なるだろうか。
たくさんの思い出を残して、自分のもとを離れてゆく。
悲しいけれど、その大切なものが自分に与えてくれた幸せは計り知れない。
人生の中で、そんな時間を過ごせたことに感謝して、いざその時が来たら、「ふつつかな娘ですが」とでも言って、そいつに託そうか。
まあ、そんなことを本人達に伝えたら、「人をモノ扱いしないでよね」とか言われそうだけど。
そもそも、誰かに託せるその日は、本当にやってくるのだろうか。
あまりにもふつつか過ぎて…。
来なくても困る。
でも来て欲しくない。
縁があって始めたこのアプリも、
いつの間にやら3ヶ月が過ぎ、
プロ気取りで一日一本なんて調子に乗って、
臨機応変に言葉を紡いできたつもりだけど、
ルーズな自分にはやはり無理があったのか、
振り返れば、なんだコレ?な文章ばかりで、ど
ーすればレベルアップ出来るか悩みつつ、
ルールに縛られるのも嫌気が差してきて。
うん、そろそろ限界かも。
そんな気がしてきた今日この頃。
つまらない創作は意味が無い。
いつだってやめていいんだろうな。
てか、やめた方がいいのかもしれない。
潔くこの辺で、さよならしようか。
今までよく頑張ったと褒めてあげたい。
んー、もう少し頑張れるつもりだったけど。
誰かが、少しでも面白いと思ってくれたなら、
良しとしてこの場を去ることにしよう。
寝言みたいな文章ばかりでゴメンナサイ。
気分は、TA・TE・YO・MI
よくある手法。
うまくいかないもんだな。
誰か手本を見せて欲しい。
結構自信あったんだけど、
ハズしまくってる気がするよ。
些細な出来事が 物語の伏線になるように
すべての物事に 意味があるんだと知った
誰かと他愛のない話題で盛り上がったり
昨日の失敗を不意に思い出して悔やんだり
些細な出来事に 心が歪んでいく夜もある
小さな不安から 抜け出せなくて嘆いたり
でも乗り越えてきたからこそ今があって
次のステップに進むことに喜びを感じてる
だから大丈夫
昨日も今日も明日も きっと幸せな一日
変わらないものさえ 変えていく想いと
昨日も今日も明日も ずっと幸せな一日
新しい一歩を踏んで その先へ進みたい
すべては自分の思うがままに
そう上手くはいかない事だって分かってる
それでも今日という日が来る限り
誰かと共に築いてゆく 幸せな毎日
歩いてゆく 歩ける幸せを感じながら
未来を描く 描ける自由を感じながら
笑顔になる 微笑みの力を感じながら
幸せになる そんな一日がまた始まる
実話。
夜勤の合間に一息入れようと職場を離れ、向かいのビルの裏口前にある自動販売機で缶コーヒーを買った。
ビルの壁に寄りかかってコーヒーを飲みながら、スマホを取り出し今日届いたメールをチェックする。
しばらく経った頃、スマホの画面に雨粒が落ちてきた。
雨か。
スマホの画面から目を離し、ふと顔を上げて、ぎょっとする。
いつのまにか、自分のすぐ横に一人の女性が立っていた。
自動販売機の明かりしか無いような場所で、顔は暗闇に紛れている。
上下、真っ黒な服を着ている事だけは分かった。
−なんだ、この人。なんで、こんな近くに−
深夜3時過ぎのこんな場所。
他に人気は無い。
−しかも、なんで−
その女性は、さっきからずっとビルの壁の方を向いて、立っているだけ。
スマホさえ持っていない。
顔はよく見えないが、ビルの壁を見つめているようにしか見えない。
壁からの距離は30cmほど。
−気味悪。これは離れた方がいい−
その間にも、雨は次第に強さを増してゆく。
−傘もささずに、いったいこの女性は−
意識してないような何気ない素振りで、そっとその場を離れた。
内心ホッとしながら道路を反対側に渡ったところで、どうしても気になって後ろを振り返る。
−やばい−
女がこっちを見ていた。
ビルの壁ではなく、こちらを向いて立っていた。
雨に濡れ、長い黒髪から雨を滴らせながら、こちらを見て…笑っていた。