Ryu

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2/25/2024, 2:16:27 PM

バスを待つ彼女の横顔はいつも物憂げで、その横顔に僕は恋をしていた。
醸し出される大人の雰囲気。
そこはかとない色気と、妖艶さまでを感じるほど。
クラスの女子には感じたことのない女性そのものを、彼女は身にまとっていた。

恋は実らずに、僕は社会人となる。
仕事はキツく、ミスを繰り返しては怒鳴られ、プライドを削り取られてゆく。

そんなある日、初めて美容院デビューしたお店で、バス停で見かけなくなって久しい彼女に出会う。
彼女は美容師として働いていた。
でも、あの頃の面影はまるで無く、満面の笑顔で接客する彼女は、まるで別人のようだった。

偶然彼女は僕の担当となり、僕はドギマギしながらも、鏡越しの彼女に当時のことを話す。

「朝のバス停で、あなたをよく見かけてました」
「そうなんですか。もう何年も前ですよね。私が、前の会社に勤めてた頃のことですもんね」
「会社、やめられたんですか」
「ええ、あまりにも仕事がキツくて、毎日のように怒鳴られて。朝のバス停じゃ私、死んだ魚みたいな目をしてなかったですか?」

大人の色気と妖艶さを持った、死んだ魚だったのか、あの当時の彼女は。
憂いにあふれる朝を繰り返す彼女にとって、物憂げな雰囲気が横顔に滲み出ることは必然だったようだ。

今、こうして僕の髪を切る彼女は楽しそうで、接客中であることを差し引いても、前の会社をやめたことは彼女にとって正しい選択だったのだろう。
アンニュイな横顔に惹かれていた僕にとっては複雑極まりない展開だったが、当時の思い出を楽しそうに話す彼女の笑顔も、色気と妖艶さは無くとも、恋が芽生えそうなほどの魅力を含んでいた。

店を出ると、物憂げな空が広がっていた。
あの頃の彼女に似合う天気だった。
僕はといえば、明日の仕事に対する不安な気持ちと、また次回の美容院で彼女に会える期待が入り混じって、気楽に考えていいのかな、いざとなったら別の道だってあるんだ、と自分に言い聞かせながら、家路を歩いた。

あのバス停の前を通り過ぎる。
物憂げな空の雲の隙間から、ゆっくりと太陽の陽射しが差し込むのが見えた。

2/24/2024, 10:49:14 AM

のんびり呑気に生きてこう。
どんな心配事も、単に自分が心配してるだけのこと。
心配りが過ぎるだけの話だ。
メンドくさかったら忘れてしまえ。
その時が来たら何とかなるもんだ。
その根拠は、今まで何とかなってきたからだ。

生命を粗末にするなとか言うけど、
生きてくことに悩んでる人ほど、
生命と真剣に向き合っているんだろう。
悩んで考えて、最終的に出した結論が、
悲しいものになってしまっただけ。
粗末になんかしていない。

でも、悲しいことには違いないんだから、
出来るだけその結論には向かわないように、
のんびり呑気に生きてこう。
その生き方を誰かが咎めるなら、その人にこそ言ってやれ。
「生命を粗末にするな」と。

心に酸素を送ろう。心で深呼吸をしよう。
ネガティブウイルスに感染しても、
自分の中で浄化してしまえるように。

人生なんて、そんな大層なもんじゃない。
生きることに何の契約も結んでない。
気付いたら始まってて、気付いたら終わってる。
そんなもんの中で、死ぬほど悩むようなことなんてあるかな。

のんびり生きて、やることやって、楽しんで、
辛いことがあってもテキトーに頑張って、スルーして、
自然に終わりが訪れるまで、のほほんと過ごしてやろうと思うよ。

偶然生まれたほんの小さな生命だけど、粗末にはしたくない。
終わってしまうまで大切にして、
最後の時には、「ありがとう」と「さよなら」を伝えたい。

2/23/2024, 1:33:42 PM

バス停で待つ君の その横顔に恋をした
名前も知らないまま
僕の心の中で存在が大きくなる

伝えたい気持ち 言葉にはならない気持ち
ひとつ手前でバスを降りる
君にいつだって置き去りにされる

この恋は大人への招待状
君に会うたびに僕が成長してゆく
君に似合うような男になるために
僕だって日々努力してるんだ

今は恋い焦がれ いつの日か Love you
恋だって成長してゆく Be love you
少し大人な君に 背伸びして Love you
思い描く君との始まり Be love you

臆病な自分を脱ぎ捨てるために
頭の中でシミュレーションばかり
惨めな気持ちで夜を越える

身のほど知らずとか不釣り合いだとか
誰に言われても耳をふさいでた
それを認めてる自分がいたから

いつか恋の歌を 君に歌う Love you
通学バスから通勤バスへ Be close to you
名も知らぬ君に 伝えたい Love you
自己紹介から始まる Let you know about me

言葉も交わさずに終わる恋
誰にだってある淡い思い出
あの恋のおかげで少し大人になれたよ
置き去りにされたままの想いを手放そう

今でも少し Love you…でも前を向いて歩き出す
努力したぶんだけ自信を手に入れて
きっといつか 誰かに伝えたい I love you

2/23/2024, 1:29:36 AM

なんでか知らないけど、太陽と月と地球のトリオは、ジャイアンとスネ夫とのび太を連想させる。
大きくて熱い男のジャイアンと、太陽からの光を貰って、かろうじて輝くスネ夫。
そして、青白くて弱々しく見えるけれど、実はとっても愛にあふれるのび太。
決してダメな星ではないけれど、そこに住む人間達のおかげでいろんなトラブルを抱えてる。

そしたら…しずかちゃんは金星かな。
とびきり輝いてるのと、早起きして、朝風呂に入ってたりして。
で、肝心のドラえもんは?というと、これまた色合い的には地球が一番近いんだよな。
便利な道具もたくさん揃ってる。
まあ、のび太とドラえもんは一心同体ってことで…強引?

だからどーした?って話だが、特に映画のジャイアンは、
優しくて頼もしくてホントに太陽のようなキャラだなーと…これまた強引?
歌が下手な男ってのも、つい先日「カラオケ行こ!」を観てきたので、愛すべき存在という認識になってる。
「映画ドラえもん のび太の地球交響楽」も気になるな。
やっぱりのび太は地球そのものな気がするタイトル。
…まあ、映画館では、観ないけど。

書くことに困ると、こーしてとりとめのない徒然日記を書いてしまう。
縛りがないのをイイことに、お茶を濁しまくって、まったく別の飲み物が出来そうだ。
自由に書けるってイイね。しかも、誰も傷付けることなく。
今回の徒然日記の中で誰かをディスってるとすれば…まあスネ夫だけど、これは仕方ない。

最後に、完全なる偏見で、俺の中での出来杉君は木星ジュピター。
なんかカッコいいし、堂々としていて完璧なイメージが。
そして、ドラミちゃんは土星。
単に色合いが似てるのと、これらの星の中で一番遠くにいるから…。

2/21/2024, 11:17:36 PM

彼は、苦難の人生を送ってきた。
就職した会社がいくつも倒産したり、必死で貯めたお金をすべて奪われたり、本気で愛していた妻に浮気され逃げられたり。
何をやってもうまくいかない。
だが、彼の心にある言葉はいつだって、
「よし、0からのスタートだ」
この言葉を自分に言い聞かせて、何遍も何遍も、立ち直ってきた。

そんな彼にも転機が訪れたのか、
ある女性と出会い、その女性の父親が経営する大企業に就職し、天職であったのか、仕事を認められて着々と昇進する日々。
彼は女性と結婚し、二人の子供を授かった。
彼は本気で彼女を愛し、彼女も彼を愛していた。
そして、二人の子供達も。

そんなある日、彼は人生を終える。
出勤途中での交通事故。
突然の訃報に、家族はもちろん、彼のポジティブな人柄に惹かれていたすべての人達が、彼との別れを悲しんだ。
彼の人生がうまく回らなかった時代に、彼のその立ち直る強さに憧れていた人達は、思いのほか大勢いたようだ。
その誰もが、彼こそが人生の成功者だと感じていた。

遠く離れた町の産婦人科で。
彼は目を覚まし、オギャアと泣く。
こんなはずじゃなかったが、まあこれも運命、仕方がない。
彼はあの頃を思い出して、心の中でつぶやいた。
「よし、0からのスタートだ」

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