雪華降りしきるこの夜の静寂に、
イグアナがねぐらからきゅるんと出てきて、
どこか遠くで犬がワオンと鳴いている。
敬称略でごめんなさいですが、
私の「お気に入り」の中は、今現在こんな感じ。
まあ、それは単なる報告として、
今夜もお気に入りの音楽を聴きながら、
自分が表現したい世界はどんなんだろうと考える。
安寧か、喜びか、不安か、それとも恐怖か。
どのジャンルも嫌いじゃなくて、
映画なら日替わりでいけるくらいだ。
でもやっぱり人は、安寧や喜びを求めながらも、
不安や恐怖に目を向けてしまう生き物な気がする。
ニュースで大きく取り上げられるのは、
センセーショナルな事件がほとんどだし、
鬼滅や呪術廻戦なんかも、不安や恐怖を煽る、煽る。
SPY×FAMILYは…アーニャのおかげで安寧かな。
とゆー訳で、最近のお気に入りキャラは、
安寧を与えてくれるアーニャに決定。
まあ、あんな風に心が読める娘だったら、
親としてもいろいろ困るだろうけど。
奥さんがプロの殺し屋ってのも考えものだ。
妹が鬼化してしまったり、
渋谷が呪霊に支配されてしまうのも…って、
やっぱり不安と恐怖に目がいってしまうんだな、人間って。
話が脱線してるのは分かってるけど、
今日は自分のお気に入りについて書いてるから、
もう推し活みたいなもんで、強引にいく。
だいたいが、雪降る夜にイグアナは出てこないよな。
もう支離滅裂。
何とかまとめたいけど、
そんなスキルがあったらサラリーマンやってない。
夜の静寂に、こんな素敵なジャズが流れてるのに、
フォージャー家や竈門家の話をしてる場合じゃなかった。
…いや、それはそれで悪くないが、
自分が表現したい世界の話だったはずだ。
いろいろとエモい言葉が心にあふれてきてるけど、
まあ、それはまた、
次回に乞うご期待、ってことで…バックレようと思います。
君は言った
誰よりも強くなりたい
大切な人を守るために
もう二度と悲しませないように
君は泣いた
誰よりも優しくなりたい
大切な人の幸せのためなら
自分の命を投げ捨ててでも
もう一度やり直すことが出来ない現実を
すべて背中に追いやって生きていくしかない
あの日 あの時 あの場所で
君が選んだ行動を誰も責めやしない
こんなことになると思わなかった
ずっとこのままでいられると思ってた
自分の弱さと愚かさに
すべての窓を閉じて膝を抱える
そして君は言った
誰よりも強くなりたい
誰よりも優しくなりたい
後悔や懺悔を心に抱えたとしても
大切な人がまだそこにいてくれたなら
君は泣き続ける
生き延びてしまったことに
光を失ってしまったことに
道を誤ってしまったことに
大切な人が もうそこにいないことに
すべてが流されてしまったことに
10年前の今日、俺は妻と大喧嘩をする。
きっかけは些細なことだ。
でも、少しずつヒートアップして、
最終的に、あのセリフを言ってしまう。
いいか、よく聞け。
あのセリフを言ったが最後、
10年後の今も、彼女は口を聞いてくれない。
家庭は地獄と化し、
仕事帰りの電車の時間がどんどん遅くなる。
食事なんて作ってもらえる訳もなく、
週末はずっと別々の部屋で、隣は何をする人ぞ、だ。
そりゃ、あんなことを言ってしまったらこーなるよな。
分かってたのに、止められなかった。
あのセリフには、言わずにいられないパワーがある。
でも、言ってしまったらおしまいだ。
今日一日、何とか耐えるんだ。
どれだけ喧嘩でヒートアップしても、
絶対にあのセリフだけは言わないでくれ。
頼む。俺から俺へのお願いだ。
俺のその後の人生がかかっている。
あのセリフだけは、何としてでも避けるんだ。
ついでに言っておくと、
実は10年後の俺から手紙が来たんだ。
今からさらに10年後、俺は完全に孤立してしまうらしい。
家にも居場所が無くなり、
平日は終電帰り、週末は公園で時間を潰しているとか。
悲惨だろ。
そーならないためにも、頼む。
あのセリフだけは言わないでくれ。
言いたくても、グッと堪えるんだ。
…うん。
そのセリフが何なのか、知りたいよな。
知っとけば、言わないで済むかもしれないもんな。
でもな…実は、まったく覚えてない。
なんたって10年も前のことだ。
どれがトリガーになったのか、今さら妻にも聞けないんだ。
とゆー訳で、健闘を祈る。
俺の現在と未来は、過去の俺にかかっている。
頼んだぞ。あのセリフだけは言わないでくれ。
言いたくても、グッと堪えるんだ。
…ん?
とゆーか、喧嘩をやめればいいんじゃないか…な?
毎年、浮足立ってたな。前年の惨敗も忘れて。
しなくてもいい期待を胸に、万が一の逆転ホームランを信じて。
そして踏みにじられるプライド。人生の厳しさを噛みしめる。
良くないよ、あーゆーイベント。(一部の)青少年の健全たる成長を妨げる。
バレンタインさんが尽力したのは、結ばれてるカップルの結婚を成就させることで、
別に「ねるとん」とか「あいのり」とか「テラスハウス」とか「バチェラー」を流行らせた訳じゃない。
なんでそれがいつの間にか、恋愛の成就に置き換えられたのか。
まあ、バレンタインさんには会ったこともないから、ホントのところは知らんけど。
それでも、いくつかは貰えてたんだっけな。
あれが、異性を恋愛対象として意識した始まりだったのかもしれない。
自分達とはまったく別の、何だかドキドキさせられる存在。
貰ったチョコレートが嬉しくて、机の引き出しにテトリスみたいに並べて、引き出しを開けるたびにニヤついてた。
ゲームを始めたばっかのちっちゃなテトリスだったけど。
まあ今は、家族にもちゃんと貰えないし、職場ではそんな日であることを微塵たりとも思い出さなかった。
でもそれは、血糖値高めの自分には願ったりなことだし、すでにこうして結婚を成就させているのは、バレンタインさんのご利益なのかもしれない。
…まあそれはさておき、今頃、今日一日を思い出して、ほくそ笑んでる人、悔し涙の人、いろいろなんだろうな。
明日は明日の風が吹くから、調子に乗らず落ち込まず、気を取り直して明日を迎えよう。
今日はドキドキしても、明日はフツーの平日なのです。
待っててとは言ったものの、さすがに10年は長すぎた。
そのくらいあれば、こんな俺でも成功するチャンスをつかめると盲信してしまった。
あの娘を待たせて、見違えるように立派になって再会しようと目論んだが、人生そう上手くはいかない。
挫折を繰り返して、辛酸を嘗めた。
世の中そんなに甘くないと思い知らされた。
そして3年後、風の噂で、あの娘が結婚したと聞いた。
人生、どうにもならなくなって、詐欺ビジネスに手を染める。
あの手この手で人を騙していくうち、ある男と知り合い、彼が仲間とお金を出し合って起業を計画していることを知る。
聞けば、なかなかの規模の会社を起こそうと、かなりの資金を準備しているらしい。
うまく口車に乗せて、あの手この手のノウハウを駆使して、そのお金を根こそぎ奪い取った。
そして10年後、あの娘と再会を約束した空き地に、俺の名前を冠したビルを建てた。
今さら会えるわけもないと思っていたが、この思い出の場所を失いたくなかった。
あの娘は今頃、どこで何をしているのだろう。
約束の日の朝、出勤すると、
懐かしい後ろ姿がそこにあった。
信じられない思いで、「やあ」と声を掛ける。
我ながら間の抜けた再会の言葉だったが、
振り返ったあの娘は、あの頃と何も変わっていなかった。
その先のことは、修羅場があったりロマンスがあったりだが、それはまた、別のお話。
ただ、このビルを建てた資金のほとんどが、彼女の夫が用意したものだということは、墓場まで持っていくつもり。