Ryu

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2/2/2024, 2:24:24 PM

あの日を思い出した。

我が家の末っ子として迎え入れて、
娘二人の弟分として家族の一員となった猫。

13年生きた。
彼が死んだ日、壊れたように泣いた。
こんなに泣けるとは思わなかった。
息が苦しくて、胸が苦しくて、それでも涙は止まらなかった。

弟だったのに。
末っ子だったのに。
なんでお姉ちゃん達を追い越して、
一人で先に逝ってしまったのか。
言葉も交わせないまま過ごした日々だったけど、
自分にとっては…たった一人の息子だった。

あの日を思い出すと、今でもまだ泣ける。
もう4年が過ぎたのに。
今夜もこれを書きながら、お風呂で一人泣いた。
きっと、俺の心の何処かに、
今でもアイツの勿忘草が咲き続けてるんだと思う。
小さくて可愛い無数の青い花に囲まれて、
じゃれ遊ぶアイツの姿が、目に浮かんだ。

2/1/2024, 12:59:57 PM

「ブランコ効果って知ってるか」
「なにそれ」
「吊り橋効果みたいなもんでさ、二人で並んでブランコに乗ってて、その揺れがピッタリ重なったまま、3分が過ぎると恋愛感情が生まれるらしい」
「吊り橋効果とはちょっと違うな。何の根拠もない」
「根拠は、気が合う二人ってことだろ。知らんけど」
「そんなんで恋が芽生えたら、明日はバラ色だよな」
「…やってみるか?」

高校生。柔道部の二人。
そのガタイはブランコには似合わない。
でもきっと彼らは、明日もまたこの公園に来て、このブランコに乗るだろう。
まるで、恋人同士のように。

そう、
彼らの明日はバラ色なのだ。

1/31/2024, 1:16:27 PM

少年はプランを立てた。
目的の場所へ辿り着くまでの完璧なプランだ。
詳細は教えない。
彼と旅を共にする仲間にも秘密だ。
そして、夢のような時間が過ぎてゆく。

奥深いジャングルを小さな船に乗って進んでゆく。
野生動物や原住民と遭遇し、
急流を落ちたり、滝の裏側をくぐったり、
あるいは、海の上で戦いに巻き込まれたり。

またある時は、
谷底を途方もないスピードで走り抜ける列車に乗って、
古代生物の遺骨を目の当たりにしたり、
漆黒に包まれた岩のトンネルをくぐり抜けたり。

そしてある時は、
この世ならざるものと遭遇し、
怯えながらもあちらの世界を垣間見たり、
色とりどりの華やかな世界には歌があふれ、
彼方には美しい城がそびえ立つ。

そんな冒険を乗り越えて、
少年達は旅路の果てに、ようやく目的の地に辿り着いた。

そこは、伝説の生き物が住むという小さな家。
彼の名はミッキー。
夢の国を旅して、やっと彼のもとに辿り着いた。
彼を探して、彼の姿を写真に収めるんだ。

背後で盛大に花火が上がる。
どこからか、パレードの賑やかな音楽が聴こえてくる。

あ…しまった、彼はあっちか…。
仲間からの、冷たい視線が痛かった。

1/30/2024, 2:05:53 PM

しっかりと生きています。
時に誰かにイラついたり、泣きついたりもしながら、
自分らしく、人間らしく、命を燃やし続けています。
いつか必ず、この命は燃え尽きて、
この存在すらも、過去のものになって。

嘘みたいだな。
自分が存在しない世界なんて、想像すら出来ない。
いや、ほんの数十年前には、存在しなかった訳だが。
あの頃に戻る日が来るのかな。
誰かが悲しんでくれるのかな。
生まれ変わったりするのかな。
次も人間だったらいいのにな。

あなた達に届けたいこと。
あなた達のおかげで、
この世に生を受けられたことへの感謝。
あなた達のおかげで、
幼く無力な時代を乗り越えられたことへの感謝。
あなた達のおかげで、
新しく幸せな家庭を築くことが出来たことへの感謝。
あなた達のおかげで、
父親として充実した時間を過ごせているよ、ありがとう。
あなた達のおかげで、私は今もしっかりと生きています。

そして、あなたに届けたいこと。
いつか、この体がゲームオーバーを迎える日が来る。
たとえその日が来ても、この体で生きた日々を忘れない。
忘れたくない。
あなたは私自身です。生きているこの自分です。
思いのままに生きて、たくさんの経験をさせてくれて、
苦しい時も悲しい時も、ずっと一緒にいてくれて。

ありがとう。
生まれてきたことに、ありがとう。
大人になれたことに、ありがとう。
家族を作れたことに、ありがとう。
父親になれたことに、ありがとう。
すべて、この自分がいなかったら成し得なかったこと。
ありがとう。
もう少し、もうしばらく、一緒に過ごしてもらえますか。
最後の瞬間が訪れる、その日まで。

1/29/2024, 2:07:56 PM

愛するって何。
見た目や性格が自分の好み通りの相手を見つけて、
その人と一緒に過ごす日々を楽しむこと?
その人を大切に思い、ずっと一緒にいたいと思い、
その人が他の誰かと仲良くすると憂い、
自分だけのものにしたいと欲張ること?

君しかいない、なんて愛は信じない。
自分の好みに合致する相手は他にもたくさんいる。
ほとんどの人は一生のうちに、いくつかの恋愛を経験する。
理由はどうあれ、相手を乗り換えてゆく。
この広い世界、君しかいない、なんてことはあり得ない。
たまたま今の自分の近くにいて、出会えて、この人いいなと思った相手と意見が合致しただけだ。
マンションの隣にどんな人が住んでるのかさえ知らない世の中で、この人しかいない、なんて言い切れるはずがない。

思い詰めるのは良くないよね。
いい人みっけ、ぐらいの気持ちでいいんじゃないかな。
そしてもしサヨナラが来たら、大切な存在を失うことをそれなりに悲しんで、潔くお別れしよう。
だってもともと他人なんだから。
街に出て、次に寄り添える相手を探しにいけばいい。
その方がね、結果的にたくさんの人達が幸せになれると思うんだ。
誰かが誰かに固執するよりも、ダメなら次へ、の気持ちでいた方が、LOVE & PEACE が広がるよね。

I LOVE…そうやって頑張ってきた自分。
I LOVE…そんな自分を支えてくれた人達。

愛する、より、君を想う、の方がしっくりくる。
大切に思える人がいれば、自分も幸せになれる。
押し付けるだけの愛を投げ合うより、
ただ静かに想いを馳せる相手がいれば、それでいい。

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