少年はプランを立てた。
目的の場所へ辿り着くまでの完璧なプランだ。
詳細は教えない。
彼と旅を共にする仲間にも秘密だ。
そして、夢のような時間が過ぎてゆく。
奥深いジャングルを小さな船に乗って進んでゆく。
野生動物や原住民と遭遇し、
急流を落ちたり、滝の裏側をくぐったり、
あるいは、海の上で戦いに巻き込まれたり。
またある時は、
谷底を途方もないスピードで走り抜ける列車に乗って、
古代生物の遺骨を目の当たりにしたり、
漆黒に包まれた岩のトンネルをくぐり抜けたり。
そしてある時は、
この世ならざるものと遭遇し、
怯えながらもあちらの世界を垣間見たり、
色とりどりの華やかな世界には歌があふれ、
彼方には美しい城がそびえ立つ。
そんな冒険を乗り越えて、
少年達は旅路の果てに、ようやく目的の地に辿り着いた。
そこは、伝説の生き物が住むという小さな家。
彼の名はミッキー。
夢の国を旅して、やっと彼のもとに辿り着いた。
彼を探して、彼の姿を写真に収めるんだ。
背後で盛大に花火が上がる。
どこからか、パレードの賑やかな音楽が聴こえてくる。
あ…しまった、彼はあっちか…。
仲間からの、冷たい視線が痛かった。
1/31/2024, 1:16:27 PM