【怖がり】
前に一歩踏み出すのが怖かったら
ちょっと覗き込んでみるだけでも良い
それも躊躇するようなら
そのまま後退るのではなく
斜め後ろに下がってみても良い
それだけで今までとは違う視点が広がる筈
でもとりあえず
一歩横にずれてみようか
ホラ距離が近くなった
手を繋いでみよう
少し心強くなったかな?
じゃあ
ちょっとその光ってる所まで一緒にどう?
【伝えたい】
言葉にしなくてもとか
口にしなくても分かってくれているだろうとか
そんな空気も良いけれど
それでも
手の届くうちに
上手く言葉に出来なくても
拙くても
届けておいた方が良い
共に過ごせる時間は永遠じゃない
叫びにも似た声にならないうちに
伝えられる時に
素直な想いを
「 」
【スマイル】
「何か良い事あった?」
「何で?」
「んー、何かニコニコしてるから」
「んー…」
ニコニコしてるかぁ
顔に出ちゃってるかぁ
でもその理由、気付かないかぁ
こうして一緒に帰れてる事が、どれだけ嬉しいか
分かんないかぁ
にぶちんめ
ま、そんなとこも好きだけどね
【空が泣く】
どんよりと重い空気
辺りは暗くなり 生暖かい風が吹き抜けて行く
飽和しているのは明らか
なのに事態は中々変わらない
吐き出してしまえば良いのに
ホラ 一緒に泣いてあげるよ
手を伸ばし 優しく促す
雫が頬を伝うと同時に
君も ポツリと水滴を漏らし始めた
【君と最後に会った日】
おはよう って
君をいつも起こしに行ってた
眠そうな君に勢い良く突進して
すり寄って
君の匂いをいっぱい吸い込んだ
毎日がとても幸せだった
それが出来なくなってから どれくらい経ったのだろう
優しく笑いかけてくれる声も
撫でてくれる手も もう無い
明日はいるかな?と思って眠りに就いても
毎朝希望は打ち砕かれて
段々と この家から君の匂いが消えて行く
あの日 皆が集まっていたあの場所
そこに君はいるの?
匂いはしないけど きっとこの下にいるんだよね?
冷たい石に 寄り添ってみる
やはり君の匂いはしないけど
何だかとても眠くて
僕も瞼を閉じた