旅路の果てに
人は旅をする
一生をかけた旅を
人生という名の旅を
そこに価値を見出すかはその人次第
旅が幸か不幸かなんて自分しか分からない
でも、選ぶ
後悔があるかないかないかなんて気にしない
いや、これもその人次第かも
旅をすれば世界に色がつく
鮮やかになる
でも、明度が上がるか下がるかはその人次第
悩む、きっと悩む
でも心配しなくていい
進んで進んで止まりたいときに進んで
自由に旅をしよう
あなたは自分が選んだ旅路の果てに、何を見る?
雨の香り、涙の跡
「ぽつ、ぽつ」雨の音が窓越しに聞こえる
雨の日は嫌いだあの日を思い出すから
あの頃の自分が憎い、憎くて仕方がない
いじめが始まったのは高校二年からだ
理由は分からない、ただ急にはじまった
暴力なんて日常茶飯事、教師も見て見ぬふりをした
死ぬほど辛いし何度も死のうと思った
でもやめた
日向がいるからだ
この辛い日々の中で日向だけが救いだった
日向は僕が帰ると「わんっ!」と元気に吠える
家族も学校も敵だったが日向だけは味方でいてくれた
でも
日向は死んだ、殺された
あいつらが水に薬品を盛ってそれで…
あの日降っていた雨はまるで僕の心を映したかのようだ
いつか過去を忘れられると人はいうが
そんなのは嘘だ
窓にもたれて僕はつぶやいた
「守ってやれなくてごめん…」
涙が窓をつたった、まるであの日の匂いみたいだ
cute!
「かわいくなれますように…」
いじめが始まったのは二年生の中盤
私は自分を変えたくて化粧をして学校に行った
すると周りは
「ちょっと豚が色気づいたんですけど〜!」
「てかメイク濃すぎwww」
「キモいわ~」
そこから段々いじりがいじめになっていった
足をかけられたりゴミをかけられたり
私の心は次第にズタズタになっていった
容姿が悪くて馴染めていないということだけで
何故こんな目に遭わなくてはならないのか
私は不平等なこの人生を恨んだ
そして今、目の前には縄の輪がある
どうか次の人生では…
「かわいくなれますように」
さぁ冒険だ
私は天使だ
私の住む天界では下級層が労働し上級層が楽していた
みんな仮面同士で笑い合ってる気味の悪いとこだ
「こんなとこにいたくない!」
そう考えるようになるのが自然だろう
思い立ったが吉日、私は外界に冒険へ行くことにした
「わあ!」
外界では天界と違って汚かったり暗かったりするけど
なんだかそんな外界が好きになった
仮面の笑顔じゃなくてちゃんと笑っていられたんだ
外界に降りて半年、追っ手がやってきた
私一人いなくても天界は回るだろうに
どうして冒険一つさせてくれないのだろうか
というかなぜみんなあそこが嫌にならないんだ?
あれこれ考えていると急に眠くなって、倒れてしまった
あれ、私外界にいて、それで…
ズキッ、頭が痛くなる
あ、そうだ仕事しなくちゃ仕事…そう思ってると
目の前に笑う人影が見えた
「冒険なんてさせるかよ」
魔法
「これは幸せの魔法だよ」
「君もいつか本当に幸せにしたい人を見つけて
魔法をかけてあげてね」
母はいつも僕に優しくしそう語りかけ抱きしめてくれた
母の墓を前にその言葉がフラッシュバックする
結局僕は誰に魔法をかけてやることはできなかった
高校を卒業しぼくはすぐに地元を出て
東京の大学に行った
とにかく家が嫌いだった
暴力を振るう父
いじめてくる同級生
助けてくれない傍観者
でも大学に行ってからは楽しかった
友達もできて、遊んで笑って
でもそんなことをしてるうちに
本当に大事な人を失って
後悔したって遅いじゃないか
「ごめんなさい…」
懺悔するように僕は墓の前で泣き崩れた
母はあの環境にいて壊れた、死因は自殺だという
「もう後悔したくないからさ」
ぼくは空を見た
僕の頭には復讐の二文字しかなかった