宇賀神

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雨の香り、涙の跡

「ぽつ、ぽつ」雨の音が窓越しに聞こえる
雨の日は嫌いだあの日を思い出すから
あの頃の自分が憎い、憎くて仕方がない

いじめが始まったのは高校二年からだ
理由は分からない、ただ急にはじまった
暴力なんて日常茶飯事、教師も見て見ぬふりをした

死ぬほど辛いし何度も死のうと思った
でもやめた
日向がいるからだ

この辛い日々の中で日向だけが救いだった
日向は僕が帰ると「わんっ!」と元気に吠える
家族も学校も敵だったが日向だけは味方でいてくれた

でも
日向は死んだ、殺された
あいつらが水に薬品を盛ってそれで…

あの日降っていた雨はまるで僕の心を映したかのようだ
いつか過去を忘れられると人はいうが
そんなのは嘘だ

窓にもたれて僕はつぶやいた
「守ってやれなくてごめん…」
涙が窓をつたった、まるであの日の匂いみたいだ

6/19/2025, 1:49:59 PM