未知亜

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10/21/2025, 9:41:42 AM

「美和は?ㅤどうする?」
「そーだなあ」
ㅤ不意に呼ばれて、考える振りでテーブルに目を落とす。綺麗に揃えられた桃色の指先。
ㅤあれ以来二人きりで会わなくなった。他の人と一緒の時も、私とはあまり目が合わなくなった。そんなことにいちいち落ち込む日々を幾つも過ぎて。もうすっかり友達みたいな顔で話せるようになったけど。
ㅤ気を抜くと込み上げそうになる気持ちに、私はまだ泣きながら蓋をしている。


『friends』

10/20/2025, 9:49:13 AM

ㅤいつも一緒にいたから、そばにいるのが当たり前だと思ってた。
ㅤ君の注いでくれる愛を当たり前に飲み干して。それがどんなに特別だったか考えもしないで。

ㅤ今思えば奇跡みたいな夜。
ㅤ肌に重なった君の声が、耳の奥にこびりついて消えない。


『君が紡ぐ歌』

10/19/2025, 9:00:11 AM

歩きながら頭を整理してるうち
ふと光が差すかのように鮮明に
ひらめいたアイデアを試そうと
思うそばから全く別の関係ない
ことがたちまち霧のように垂れ
込めて何を思いついたのかもう
次の瞬間には思い出せもしない
そんな感じなんです、たぶん君。

『光と霧の狭間で』

10/18/2025, 9:54:08 AM

 夕闇が一層深まった気がした。額に滲む汗を感じる。少しも暑くはなく、むしろ冷たさを覚えるのに。
 こちらに戻された瞳から、強い意志を感じる。部屋を支配する不自然な沈黙が、 何より雄弁に語っていた。
 ここまで我慢したよ、と。もう限界だ、と。

 見えない砂時計の中、最後の一粒が落ちる音が聞こえた。

『砂時計の音』

10/17/2025, 9:53:01 AM

ㅤ肌を撫でていた手がふと止まる。

どしたの?

ㅤ目を開けてあたしは尋ねた。
ㅤ答えが気になったわけじゃなくて。
ㅤもっと触ってて欲しくって。

いや……

ㅤあたしの肌を見つめ、あなたが呟く。

ホクロって減るの?
しらない

ㅤ細い指先を手繰り寄せる。

減ってんの?
たぶん

ㅤ再び肌をすべり出したそれに、
ㅤあたしは溜息を漏らす。

じゃ、そうなんじゃない?
星座みたいで綺麗だったのに。

ㅤ消えたと思しき場所に唇を落とされ
ㅤ名残惜しげな頭をあたしは抱き締めた。

『消えた星図』

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