夕闇が一層深まった気がした。額に滲む汗を感じる。少しも暑くはなく、むしろ冷たさを覚えるのに。 こちらに戻された瞳から、強い意志を感じる。部屋を支配する不自然な沈黙が、 何より雄弁に語っていた。 ここまで我慢したよ、と。もう限界だ、と。 見えない砂時計の中、最後の一粒が落ちる音が聞こえた。『砂時計の音』
10/18/2025, 9:54:08 AM