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7/8/2024, 10:05:23 PM

街の明かり

少し小高い坂の上にある公園は夜になると夜景が綺麗なプチスポットで気にいっている。
ご多分にもれず一人でみているのだが。
チラホラとデートらしき組もいる。

いつも思う。あの明かりの下には知らない誰かがいて、
楽しい、苦しい、嬉しい、哀しい、ムカつくなんて、
喜怒哀楽フルコンボあるんだろうな。

知らない誰かは自分の事で精一杯だったり、元気な子供を追い回したり、病気の誰かの側にいたり、フラれたりしてるのかな?

人がいるって不思議だ。街の明かりにホッとする。
自分の家の明かりも誰かがホッとしたらいいな。
そうしたら生きていてもいいんだって安心するかもしれないし、どんなに嫌でも時間は過ぎて明日は来る。
明るくなったら、見えないけれど今度はイキイキとしたエネルギーが満ちていく。
今夜の明かりをつける為に。

7/7/2024, 9:56:12 PM

七夕

あ〜もう!七夕の儀式がまた来るぅ〜

織姫はジタバタとしていた。
既に形骸化した儀式で子供は成人し会いに来るわけではなくて、地上での刹那の時を過ごした夫彦星は地上での生を終えていた。気の毒にとも思う。自分達の愛を貫く為に次の生を受ける事もなく永遠を生きる事になっている。天界に生きる事とは違うのに。

地上はいいだろう。自由に出来ない結婚の不条理とか、それでも愛を貫くなど言って、お願い事までする始末。
橋となるカササギも気の毒だ。
毎回、新人の集合訓練に使っているのだから、ちゃっかりはしている。

妾はどうだ?
会えるのは嬉しいかと言われるとそうでもない。
地上では好き勝手に結婚し別れる、または不倫だ。
願いを書いた者を追跡観察をしてみたら、すぐに心変わりをしていた。今年の願いも同じだろう。
なぜ、皆、想いを遂げたのに貫かぬ?
妾は地上に影響される。願いが澄んでいれば何も躊躇う事なく夫に会えるというに。

今年も妾だけを想って、妾がカササギの橋を渡るのを待っているか心配しなくても良いのに。

7/6/2024, 10:17:58 PM

星空
友だちの思い出

満天の星空で空気は澄んで夜風は気持ちいい。
零れ落ちてきそうな程の星の煌めきに涙が出てくる。

知っている?あの星の煌めきは生きている人の命の輝きだっていう事。数えきれない人の数を思うと星の数程って言葉は間違いじゃないって思うのだけど。

え?死んだ人じゃないのか?お母さんは星になりましたって言われたぞ。

お互いに顔を見合わす。
そして、吹き出し大声で笑う。

どっちでもいいか。星見て、思い出すのが生きている誰かでも、亡くなった人でも、自分にとっては大事な人って事だろう?こうやって話しかけているんだからな。
笑い声もう一度聞きたいよ。
星の煌めきの中に自分もいるなら会えるかな。
友だち以上になりたかった。星みたいにキラキラしていた君と。いつか会おう!星の中で。

7/4/2024, 9:55:12 PM

神様だけが知っている

自分が何をしたいか、何に喜怒哀楽を感じるか?
なぜ誰かを必要とするのか?
納得行く答えが自分で出せる時は、無理矢理理屈をひねり出したわけではない。誰もが違うと言ってもそうとしか思えない確信があるからだ。もちろん、すこし病んでいるような事もあるが…。

この電車に乗り合わせた見ず知らずの誰かにも同じ様な事があるのかもしれない。環境は違うし、日々感じる事も違う。それでも…。

なぜ生まれ死んでいくのか?
何か感得してもきっと正しい事の一部で全てではないだろう。

この世界にいる全てのものが何かを求めている。
知らない手助けをされているのかもしれない。
誰かが哀しい想いをしたとしても。
それは神様だけが知っている事。

神様に見られていると思うと文句言いながら仕事したらいかんと思う通勤電車の中。

7/3/2024, 10:05:55 PM

この道の先に


さぁ、行くのです。かわいいワタシのコドモ達。この荒れた道を超えて天で待つ聖なる父と母の元へ。

両腕を大きく広げ、掌を空に向けて妙な熱気と陶酔した表情で見つめる老若男女を見下ろす。ゆっくりと一本の道を指差しうなづく。
一人一人緩慢な動きで指し示された道へノロノロと歩き出す。やがて一列となり先頭が点のように見える。
そして絶叫が聞こえてきた。

幾人が恐怖の表情を浮かべて走り戻ってきた。

道が突然大穴になり皆を飲み込んでしまった。これは天への道なのですか?

慌てる事なくそうだとうなづく。父と母は空腹なのです。その子もまた空腹で笑みを保てません。

顎が嘘だろうというぐらい開き長い蔓のような舌が
救いを求めに来た幾人かを絡め取り飲み込んだ。
か、満腹感が欲しかった為しっかりと咀嚼した。

次の食料調達は この道の先にあるだろう。
肉はいいから野菜にしよう。バランスは必要だ。

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