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8/1/2024, 3:49:06 PM

 明日、もし晴れたら散歩でもしてみようか。

 テレビからは酷暑のニュースばかりが流れてくる。外には出ないようにと注意喚起がされている。
 でも、真夏の青い空と眩しい太陽の映像は、それを肌で感じたいという欲求を掻き立てた。

 外を歩きたい。

 日差しを防ぐ帽子も日傘もないけれど、家の周りを少し歩くくらいなら平気だろう。
 お気に入りだった白いTシャツと青いスカートは、まだ着られるだろうか。
 いつもより少し早起きをして、空腹で動くのは良くないだろうからちゃんと朝ごはんを食べて、食べてすぐ動くのは良くないだろうから食後は少し休んで、それから――

 具体的に想像していくにつれ、思考は徐々に重たくなった。
 スマホの画面に映っている天気予報は、曇りのち雨。
 どうせ晴れない。
 晴れたとしたって、どうせ外になんて出ない。
 夜には晴れを願う自分がいるけれど、朝になれば曇った空にほっとする。
 まるで、自分がゆるされたようで。

 だって、晴れなかったんだからしょうがない。
 晴れたら出かけようと思っていたのに。
 晴れなかったのは私のせいじゃない。

 そうやって、私の天気はずっと晴れないまま。
 私の頭上にずっと留まっている雲は、どんどん重なって、膨らんで、重たくなって、どんどん晴れから遠ざかる。

 明日、もし晴れたら――

 晴れないという確信と、万に一つくらいなら晴れるかもしれないというほんの僅かな期待を胸に、私は今日も眠りに就く。

5/20/2024, 12:55:34 PM

 あなたは、私の理想そのものです。

 特別に優秀というわけではないけれど、いつも楽しそうに仕事をしている姿が素敵です。
 失敗して落ち込んでしまうことがあっても、すぐに立ち直って笑顔に戻れる、その気持ちの切り替え方を知りたいです。

 休日も充実していますよね。
 自分の好きなことをたくさん話してくれるのが嬉しいです。
 でも、自分の好き嫌いを話すのは、怖くないのでしょうか。
 好きなものを否定されたら辛くなりませんか?
 自分の嫌いなものがみんなの好きなものだったら、話を合わせるのに疲れませんか?
 きっと、自分に自信があるから堂々としていられるのでしょうね。

 周りの人との付き合い方も教えてほしいです。
 あなたにも苦手な人はいるでしょうし、あなたを嫌っている人もいるかもしれないのに、誰とでも同じように穏やかに接していてすごいです。
 距離感の測り方や、言いにくいことの伝え方、それに何より、人を褒めることがとても上手で、羨ましいです。

 欲しいものややりたいことがたくさんある活発なところも、でも、無理なものは潔く諦める判断力と決断力があるところも、かっこいいです。

 他にもたくさん、書ききれないほどたくさんあります。

 もちろん、最初からそんなに素敵な人だったわけではないですよね。
 どんな努力をしたのでしょうか。
 どのくらい頑張ったのでしょうか。
 私でもあなたのようになれるでしょうか。

 でも、教えてもらうのはやめておきます。
 教えてもらっても、きっと、私にはその努力はできません。
 だって、理想に近付く努力ができること自体、私にとっては理想の姿なのですから。


理想的な私へ
今の私より


追伸
 理想を諦めてだらだら生きている今の自分も、別に悪くはないですよ。

5/13/2024, 3:56:18 PM

 失ってしまった空白の時間は、塗り直せない。
 無駄な時間なんてないと言う人もいるけれど。
 その人は、きっと、本当に無駄でしかない時間というものを過ごしたことがないのだろう。もしくは、ただの強がりか。
 あぁ、でも――
 今、この文章を書いていることこそが、空白の時間を少しだけ意味のあるものにしたのかもしれない。
 ただ、それは空白を見つめただけのこと。
 空白の時間は、塗り直せない。

5/11/2024, 3:10:15 PM

 ツバサくんはオレにたくさんの『スキ』をくれるけど、オレの『スキ』はちゃんと伝わってるのかな。
 ……オレは、ちゃんとツバサくんのことが『スキ』なのかな。
 わかんないけど、ツバサくんがオレをスキって言ってくれるから、オレもツバサくんがスキ。
 ツバサくんがスキになってくれたオレなら、オレもスキ。
 オレがオレをスキになれるから、オレをスキでいてくれるツバサくんがスキ。
 これってやっぱり、ツバサくんがスキなんじゃなくて、自分のことがスキなだけかな。
 ツバサくんがオレにくれる『スキ』は、きっと全然ちがう。
 ツバサくんは、オレのキモチとかかんけーなく、とにかくオレのことがスキなんだろーけど。
 そーゆーのが『スキ』なんだとしたら、オレのは全然ちがうんだろーけど。
 わかんないけど。
「オレもスキだよ」
 そう言うと笑ってくれるから、つい言ってしまう。