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 明日、もし晴れたら散歩でもしてみようか。

 テレビからは酷暑のニュースばかりが流れてくる。外には出ないようにと注意喚起がされている。
 でも、真夏の青い空と眩しい太陽の映像は、それを肌で感じたいという欲求を掻き立てた。

 外を歩きたい。

 日差しを防ぐ帽子も日傘もないけれど、家の周りを少し歩くくらいなら平気だろう。
 お気に入りだった白いTシャツと青いスカートは、まだ着られるだろうか。
 いつもより少し早起きをして、空腹で動くのは良くないだろうからちゃんと朝ごはんを食べて、食べてすぐ動くのは良くないだろうから食後は少し休んで、それから――

 具体的に想像していくにつれ、思考は徐々に重たくなった。
 スマホの画面に映っている天気予報は、曇りのち雨。
 どうせ晴れない。
 晴れたとしたって、どうせ外になんて出ない。
 夜には晴れを願う自分がいるけれど、朝になれば曇った空にほっとする。
 まるで、自分がゆるされたようで。

 だって、晴れなかったんだからしょうがない。
 晴れたら出かけようと思っていたのに。
 晴れなかったのは私のせいじゃない。

 そうやって、私の天気はずっと晴れないまま。
 私の頭上にずっと留まっている雲は、どんどん重なって、膨らんで、重たくなって、どんどん晴れから遠ざかる。

 明日、もし晴れたら――

 晴れないという確信と、万に一つくらいなら晴れるかもしれないというほんの僅かな期待を胸に、私は今日も眠りに就く。

8/1/2024, 3:49:06 PM