月に願いを
月の通り道のことを白道(はくどう)という。ちなみに太陽の通り道は黄道。
白道と同じ字で白道(びゃくどう)と読む場合がある。仏教用語、特に浄土宗などで使われる。詳しくは二河白道(にがびゃくどう)という。
二河は、怒りの火の河と、欲の水の河。その間にある道が白道。この道を進んでいけば極楽にたどり着けるらしい。
じゃあ進めばいいじゃん、と思うのだが、2つの河が行く手を阻んで簡単には通れないのだろう。
じゃあどうやって進むのか。仏教の話だから、現世の波に惑わされず、お釈迦様の教えを頼りに、ひたすら念仏を唱えて行け、ってことかな。
念仏唱えなきゃ極楽に行けないなら、お坊さんしか極楽に行けないね。などと大人げないことは言わないでおこう。
大切なのは、自分が何を信念にしているか、その信念をどれだけ強く持てるか、なのだ。信念があれば、念仏を唱えなくても進んで行ける。
月が蛇行運転して軌道が変わった、という話は聞いたことがない。月は、よっぽど揺るぎない信念を持ってるんだろうね。
もし月が僕に気づいたら、その信念の強さの理由を教えて欲しい。僕も河の間を惑わず歩いて行きたいから。
降り止まない雨
終わりにしようか、という話をしていた。喫茶店の隅のテーブルで。
嫌いになったわけじゃない。互いに自分の生き方を見つけた。それだけのことだ。
外はしっとりとした雨。予報通りだった。
冷めたコーヒーに口をつけた。
外を見て、止まないな、と言うと、
うん、とだけ返ってきた。
ふたりとも傘はある。でもなぜか立ち上がれない。
もう少し、もう少しだけ強く降っていてほしい。そう思った。
あの頃の私へ
教科書を捨ててギターを弾け
パンじゃなくて米を食え
声を出せ 大声を出せ
さっさと告白しろ 振られるけど それでも告白しろ
流行りに合わせず、素直にビリー・ジョエルのCDを買っていい ビル・エバンスでもいい
遠くを見ろ 目には何も映らない遠くへ焦点を合わせろ
見栄よりも命を優先する勇気を持て でも見栄も捨てるな
ちゃんと猫を見ろ 猫に愛されない男はダメダメだ
料理をしろ 生きてるんだから
泣くな 少なくとも朝日が昇るまえに泣き止め
勝負をしろ 千回負けろ そして勝て
笑顔を大事にな 忘れがちになるから
逃れられない
これから暑くなる。
暑くなると欠かせない作業は除草だ。奴らは刈っても刈ってもまた伸びてくる。今年は特に猛暑らしいから、10月あたりまでこの作業からは逃れられないかもしれない。宿命だ。
草には成長点というのがあるらしい。今までは全て地際で刈っていたが、種類によっては少し高いところで刈ったほうが管理がしやすいらしい。
実際に活かせる知識かどうかはわからないが、漫然と今までと同じことを続けるよりはマシかな。
人間はプロメテウスに火を授けられて文明が発展したという。このことでプロメテウスはゼウスから罰を与えられてしまったのだが。
ゼウスは絶対神だ。全て、あるいは運命そのものとも言えよう。
プロメテウスは運命にも抗ってみせた。絶対的な運命に、だ。
運命は運命、所詮逃れられない、と思いこんでいると、新しい何かに気づくこともないかもしれない。
毎日いつもの繰り返し、その思い込みから逃れるのは難しいだろう。けど、諦めなきゃならないってこともないはず。
たかが除草だが、小さな発見を見逃さないような心づもりではいたい。
また明日
23時頃に眠り始め、2時頃に目を覚ます。そこからはユーチューブで音楽を聴きながら寝ようとする。眠れないけど。
そんな毎日。
今日がいつまでで、明日がいつからか、わからなくなってしまった。
だから、花を買った。赤い花。
毎朝の水やり。これを僕の1日の始まりとしよう。
花にしてみれば、水さえ貰えれば気にもしないだろうが。
まあ気長に付き合ってくれたまえよ。
もし僕の気分が良くなったら、お仲間を増やすかもしれないし。
などと心でつぶやきながら水をやる。
今日もよろしく。
ではまた明日。