たった1つの希望
昨日と今日をいちいち分ける必要も無いような。のっぺりとした合成樹脂みたいな生き方をしていた。
何かに夢中になるわけでもなく、感動するわけでもなく。
そんな日々。
祖母の葬儀で、泣いた。自分でも思っていなかったぐらい泣いた。葬儀場で1番泣いていた。
あの涙だけが、自分が人なんだと思わせてくれた。
欲望
誰だって美しく輝くものに目を引かれる。
星を集めよう。東から西へ突き進んで。
時には雨が降ることもあるだろう。
大きな川が大地を別けることもあるだろう。
海風が帆を裏返すこともあるだろう。
それでも止まらず進むんだ。あいつに取られる前に。
日本が51番目の星にならないといいな。
列車に乗って
長時間の乗車で、列車の振動を心地よいと感じる日は、まずまずの日かな。座席に座ってチョコレートを食べてお茶を飲む。天気も晴れなら心地よさに拍車がかかる。
流れる景色を見ていると、何も考えずにぼうっとできる。身を任せても大丈夫だという安心感があるのかな。2本のレールが鉄の箱をしっかり導いてくれる。うん、心強い。
もし僕が自由にレールを敷くことができるなら、どうしようか。太平洋を渡ってアメリカまで繋げようか。それともスリーナインのように銀河鉄道を走らせようか。
いずれにしても、自分では乗りたくないな。自分で作ったレールを信用できない。方向オンチだから目的地に遠回りしそうで。
という話を年上の彼女にした。
大丈夫。
何が。
私、サンドイッチ作るから。お菓子も持って行く。長時間でも大丈夫。
……チョコレートは。
自分で買いなさい。
遠くの街へ
サッカー日本代表が、北朝鮮に勝利して五輪出場を決めた。
昔は北朝鮮の方が強かった。戦術というよりもフィジカルとメンタルで圧倒していた。
いまは立場が逆転している。男子サッカーにおいては、確実に日本が上だ。
誤解しないでほしいが、北朝鮮チームを侮蔑しているわけでは無い。どちらかと同情というか。
彼の国の情勢を鑑みると、どうしても国内のみでチーム育成をしなければならない。海外クラブに所属する個人が増えてしまうと、民主主義が近づいてしまって現体制が瓦解してしまう。
しかしながら現代サッカーは、フィジカルに任せて敵陣に縦パスを送るだけでは勝てない。絶対に、洗練された戦術が要る。育成面では海外選手との試合経験も必須だ。北朝鮮が今のやり方でやっている限り、成長はないのではないか。
試合後に監督が流した涙は演技ではなく、自然のものだと思う。だからこそ、極東から遠くの街のスタジアムでは、こんなにも新しいアイデアがあるというのをぜひ重要視してほしいと思う。そしてそれを許さない政治に、僕は改めて嫌悪感を抱いた。
現実逃避
目玉焼きにソースをかけるつもりだったのに醤油をかけてしまった。まあこのくらいの現実は受け入れよう。
好きな人に彼氏がいたことがわかった。まあこれも受け入れよう。涙をのんで。
想った文章が書けない。この現実からは逃げたい。本当に毎日思う。実生活で上手くいかないことはたくさんあるけど、しょうがない。そういうものだから。
でも自分の頭の中をちゃんと文章化できない現実はつらすぎる。他者ではなく完全に自己完結の自己責任だから。自分の拙文を見るたびに情けなくなる。
逆に考えると、これが上手くできれば、他のことも自信を持って臨めるのかもしれない。
だから逃げ出したくても、そうもいかないんだよね。