ウツギ

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8/1/2024, 12:26:55 PM

明日、もし晴れたら、君と散歩をしよう。


君の足がなくても、僕が手を貸すから。

君の目がなくても、僕が情景を伝えるから。

君の声がなくても、僕がたくさん話すから。

君の元気がなくても、僕の元気を分けるから。

君の体温が低くても、僕が温もりを分けるから。


「ね、明日は外に出ようよ」


心の中の、君が言う。

寝たきりの僕に向かって、君が言う。

僕がかつて君に言った言葉をそのまま、君が言う。


「なんで死んだんだよ」


薄暗い病室でひとり、可憐な少女が写る写真を握りしめて、言葉が落ちた。

6/23/2024, 7:11:40 PM

 子供の頃は良かった。

 うちの祖母はそう言った。
 世間のしがらみに囚われず、素直に人の言うことを認められる子供は良い。そして、それは大人になると途端に難しくなることなのだと教えてくれた。

 大人の付き合い、とはよく言ったもので、祖母はたまに、友人と会話する時とは違う声音で電話口に向かっている時がある。
 後で聞くと、会社のきらいなひと、と言っていた。

 それから僕の頭を撫でて、子供はいいわね、と溢した。

 みんなに対して元気が良くて、素直で、従順で、可愛くて。
 私もそうなりたい、祖母は、少し悲しそうな顔で呟いた。

6/1/2024, 5:43:14 PM

梅雨は嫌いだ。

髪が、湿気でぼさぼさになるから。

朝に頑張ってセットをしても、家を出たら、ぼん!

途端にやる気がなくなって、どうしようもない。


それに翌日の朝に準備する気力がなくなるのだ。

だから私は、じめじめの梅雨が嫌いだ。

5/23/2024, 9:00:46 AM

「また明日」

そう言って別れた帰り道、君は事故に遭った。
横断歩道を渡っていたところ、飲酒運転のトラックに突っ込まれたそうだ。

集中治療室に入った君の「生」を示すのは波打つ電子版だけ。

また明日、会えても君に意識がないと意味ないだろ。

ひとりで呟いても、いつも返ってくるはずの声はなかった。

5/21/2024, 12:59:44 AM

理想のあなた、いや、理想の私はすごいぞ!

理想の中だから、小説みたいに要素もりもりなんだ。

多分、気持ち悪いぐらいに。

まず詰まらず言葉が出せて、友達がたくさんいて、ちゃんと夢を叶えてる。

ほら、すごい!


夢のまた夢、そのさらに夢のはなし。

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