君は苦しい道を通ってきた
そして、木陰にひざまずいて倒れ込んだ。
その道で浴びた毒や、刺さったトゲで
もう歩きたくないと体をどんどん小さくしてる。
時が経って、
見える傷が治っても、君はまだ治ってないと
不幸の草むらにしがみついている。
強く暖かな日の光になって
その背中を温めてあげられたら
どんなにいいだろうか
君がやっと立ち上がったら、
今度はその背中をそっと押してあげよう。
#泣かないで
ひとはどうやって愛情を嗅ぎ分けてるんだろう。
愛情を持っているから近づく人
愛情を持っているから遠ざける人
どちらも同じ愛情の度合いでも、
その現れ方ですれ違ってしまう。
ほかにも
愛情だと思っていたことが、
相手には普通のことなんて空しいこともある。
好ましくないと思えることも、
相手にとっては必死の愛情表現だったりもする。
愛情の度合いは違っても、
自分にとって好ましい愛情表現があるのが幸せなのか
それとも、好ましくない表現でも
愛情を受け取れた方が幸せなのか
きっとどちらも幸せじゃないんだろう。
世の中のひとはどうやって愛情を嗅ぎ分けて、
感じているんだろう。
仕事終わりにスイーツ買ってきてくれるのも
家事の小言も「まったくもう」って口癖も
全部の出来事が想い出になってくのが
誇らしいような怖いような
そんな気がする
#たくさんの想い出
カーテンと窓の隙間で情けなくいた。
1DKの間取りでは他にどこに逃げられるんだろう?
「話し合わないのか」
紅茶が淹れられる。
まるで私を気遣ってるみたいに。
だけど、その紅茶を飲んだが最後、
もうどこにも行けない気がした。
帰り支度をして飛び出した。
一直線に逃げるように帰った。
あの日の紅茶、実は見も聞きも嗅ぎもしてない。
だけど、なぜか頭にマグカップも音も香りも
覚えてるような気がしてしまう。
#紅茶の香り
クリスマスに買ってきてくれたお酒のレシート
まだ財布にしっかり持ってる。
#忘れたくても忘れられない