鉢植えから抜け出して
心もとない根っこの足で歩くような
そんな日々が数年間続いた。
行動の結果はすべて自分自身に降り注いだ。
すがるのは幸せの意味すら深く考えなかった過去の日。
そして、自分の罪を憎み、他者の不親切を反芻した。
そんなことを繰り返しても、世界はどうにもならかった。
今までは運命だったものに自分から近づいてみた。
私の足は心は少しずつ太くなった。
そして、今日やっと自分がどうあるべきかの答えに
最も近づいた気がする。
#過ぎた日を想う
赤い光がが白い光に変わった。
特徴のある発進音がする。
部屋はさっきまでの音が反響してた
うるさくてじっとしていられなかった。
寒くて、瞬きするたびに皮膚が引っ張られる。
あったはずの2人の未来が積まれてたものだ。
目元がぼやける。
もっとぼやかしたら、
遠のいていくのも気づかないんだろうか
まばたきを何回かすれば
また戻ってくるのだろうか
#奇跡をもう一度
冷たい風が頬を流れた
こんなにジメジメとした夜なのにおかしい
意味のわからないことをずっと話して
沈黙が嫌で、いろはすをがぶがぶ飲んだ
ふと目に止まる横顔とか鼻筋とか綺麗だなと思って
それでまた、潰し気味に飲んだ
家の近くの川沿いの道を歩いた
馴染みの街灯も反射する川も
川沿いのテカテカした石の椅子も
光がうねって目が回って
全然違うものみたいに見えた。
#夜景
目の前の景色にゼラチンが流し込まれて
まばたきの度にほろほろ崩れた。
空は青いままで、体は動かなかった。
心の中は必死だった。
思い出を裏返し続けた。
楽しさは黒く塗り、
辛さは無理やり飲み込んだ。
あっけにとられて、
どんどん漏れ出すものをみないように
自分の感情をどう表現していいかわからずにいた。
#喪失感
自分の今は最初から決まってたんだろうか。
倫理学の時間に「宿命論」を習った。
人生の出来事はあらかじめ定められてて
人間の努力では変更できないと。
だとすると、自分が自分でない気がする。
文章を打つ今だって、最初から決まってたの?
思うがまま自由に動いてるようでいて
実は決められたルートを歩いているに
過ぎないのかもしれない。
だとしたら、私達の行き着くところはどこなのだろう。
ルートから外れる方法があったりするんだろうか。
#最初から決まってた