カーテンと窓の隙間で情けなくいた。
1DKの間取りでは他にどこに逃げられるんだろう?
「話し合わないのか」
紅茶が淹れられる。
まるで私を気遣ってるみたいに。
だけど、その紅茶を飲んだが最後、
もうどこにも行けない気がした。
帰り支度をして飛び出した。
一直線に逃げるように帰った。
あの日の紅茶、実は見も聞きも嗅ぎもしてない。
だけど、なぜか頭にマグカップも音も香りも
覚えてるような気がしてしまう。
#紅茶の香り
クリスマスに買ってきてくれたお酒のレシート
まだ財布にしっかり持ってる。
#忘れたくても忘れられない
鉢植えから抜け出して
心もとない根っこの足で歩くような
そんな日々が数年間続いた。
行動の結果はすべて自分自身に降り注いだ。
すがるのは幸せの意味すら深く考えなかった過去の日。
そして、自分の罪を憎み、他者の不親切を反芻した。
そんなことを繰り返しても、世界はどうにもならかった。
今までは運命だったものに自分から近づいてみた。
私の足は心は少しずつ太くなった。
そして、今日やっと自分がどうあるべきかの答えに
最も近づいた気がする。
#過ぎた日を想う
赤い光がが白い光に変わった。
特徴のある発進音がする。
部屋はさっきまでの音が反響してた
うるさくてじっとしていられなかった。
寒くて、瞬きするたびに皮膚が引っ張られる。
あったはずの2人の未来が積まれてたものだ。
目元がぼやける。
もっとぼやかしたら、
遠のいていくのも気づかないんだろうか
まばたきを何回かすれば
また戻ってくるのだろうか
#奇跡をもう一度
冷たい風が頬を流れた
こんなにジメジメとした夜なのにおかしい
意味のわからないことをずっと話して
沈黙が嫌で、いろはすをがぶがぶ飲んだ
ふと目に止まる横顔とか鼻筋とか綺麗だなと思って
それでまた、潰し気味に飲んだ
家の近くの川沿いの道を歩いた
馴染みの街灯も反射する川も
川沿いのテカテカした石の椅子も
光がうねって目が回って
全然違うものみたいに見えた。
#夜景