Cu

Open App
10/2/2023, 3:09:08 AM

東屋に2人で座った。

彼の言動1つ1つに傷ついていた。

なのに、曖昧な態度をとった。
彼と終わりにしたい気持ちと
彼と始まりたい気持ちで揺れ動いていた。

彼は知らない。
ただ静かだった。
私が今日1日楽しんでいたと思ってるだろう。

熱っぽい頬を風が撫でた。
じっと雲を見ていた。

散々なことを言って立ち去りたい
でも「綺麗だね」って笑いかけたい

草は赤く燃やされて叫びを上げている。
心はただそれを傍観していた。

#たそがれ

10/1/2023, 6:04:26 AM

ホットケーキにクリームをたっぷりかけた。

その上にカラフルなチョコスプレーをかけると、
息を呑んでいたみんなから、小さな歓声があがった。

薄い布を隔てて、虫の声と夜風が入る。

私達は表情で、めいいっぱい感想を表した。

お腹いっぱいになったら、
外へ出て空を見上げながら歩いた。

星がいくつも流れた。

きっと明日も、楽しくなるんだろう。

パンパンのふくらはぎと靴擦れまでも、
楽しいんだから。

#きっと明日も

9/29/2023, 11:29:42 AM

そして、部屋は静寂に包まれた。


ふいに、くすっとした笑い声が聞こえて

布団の間を渡っていく。


「もう寝よう。明日も早いんだよ」

ちょっと大きな声が聞こえる。

「はぁい」

小さく返事をして、


静寂のくすぐったさに寝返りを打つ。

#静寂に包まれた部屋

9/28/2023, 2:27:40 PM

貸した漫画、案外早く返しに来てくれた。

初めて待ち合わせをした公園で、待ち合わせをした。

他愛も無い話を、途切れず話した。
必死にご飯を食べる鳥を見て笑った。
笑い声に悲しさが入らないように努めた。

あぁここ一緒にお弁当食べたな
すごく褒めてくれた

ここは就職で悩んでる彼が座ってた
あのときは強い言い方をしてしまった

彼の目線が腕を組んで歩くカップルを追っていた。
私の目線が手を繋いで歩く3人の家族を追っていた。

一歩一歩は早くて、公園はあっけないほど狭かった。

車のドアを開けるとき、やっと彼の目が潤んだ。
だけど、笑った。
最後にちょっとカッコつけたんだと思う。

別れ際思いきらないと、すがってしまう気がした。
そんな自分は好きになれなかった
私もカッコつけたかった
彼に見えてるうちは、なるべく振り返らないように楽しげに飛び跳ねるように歩いた。
階段を登り終わったあと、墓場の脇で柵につかまった。
もう終わり。寂しくて清々しい気持ちがした。

後ろに通行人が近づいてくる。

何事もなかったように歩きだすしかなかった。