特別な存在
君がいつから特別になったのか
もう覚えていないけれど
私の一つの人格といえるくらいに
私の中に溶け込んでいる
何年会わなくても
昨日会ったばかりのように
私の中に住み着いている
君は物語から出てきたみたいに
現実離れしている存在
だから君は私の憩いの場所だった
最近の君は何だかありふれてしまった
社会に溶け込むことは君をも変容させてしまう
あまりにも純粋で透明で聡明な君
だけど君がどんな風に変わっていこうと
特別な存在に変わりはないよ
バカみたい
何もやる気が出ない
誰かに愛想良くすることも
ちゃんと働くことも
ぜーんぶバカみたい
生きてるだけじゃ満足できない
お金もらうだけじゃ満足できない
愛する人と生活するだけじゃ満足できない
全然満足なんかできない
体の中のエネルギーが
溜まりに溜まって爆発しそうだ
もう全部バカみたい
全部壊したい
あー自由になりたい
死にたい?それも違う
自分でいよう、バカみたいに
安らかな瞳
君の瞳を見ていると、こちらまですっと落ち着いた気持ちになる。
君はいつもフラットで、僕を僕自身に立ち返らせる。
何にも影響されないかのような不思議な空気を纏う君。
どこまでも安らかな瞳。
底知れない君を、愛しく思う。
ずっと隣で
君の手を思い切って掴んでみた。
君は驚いた表情をしていたけど、手を振り払うことはなかった。
僕はドギマギしながらも、何食わぬ顔で話を続けた。
いつも隣にいる君とのもう一歩先を。
ずっと隣で過ごしたいから。
ひなまつり
子供の頃は毎年3月3日になると
雛人形が床の間に出されていた
お内裏様の入ったオルゴール付きのケースで
私たち3姉妹はネジを限界まで巻いて
流れるオルゴールに合わせて踊った
何度も何度もネジを巻いては
飽きるまで踊り続けた
そんな無意味にも幸せな日々があったことを
私はついさっきまですっかり忘れていた
戻ることはない懐かしい日々に
胸が少しちくりとした
久しぶりに姉達に連絡してみようかな
また一緒に無意味に踊るのもいいね
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